帰ってきた「inoui」デザインの哲学
資生堂が2023年9月、新生「inoui(インウイ)」を発売した。2002年からお休み期間を経ての再登場ということで、どんな姿で登場するのかワクワクした。今という時代における「inoui」をどうデザインしたのか、話を聞きに行った。
デザインプロジェクトの現在
KIGIが“不定期マガジン”と題して『KIGI_M』という雑誌をスタートした。一方で、昨年始めた「OUR FAVOURITE SHOP」で朗読会や落語など面白いイベントを開催している。どんどん多面的になっている活動について、聞きにいった。
KIKOFは、立命館大学の佐藤典司先生により立ち上げられた、Mother Lake Products Project の活動から生まれたプロダクトブランド。キギと滋賀県の琵琶湖周辺を拠点として活動する伝統工芸の技術者たちが共同で開発をする。
代官山のヒルサイドテラスの一画にあるKIGI(以下、キギ)のオフィスは、いつ訪れても気持ちのよい空気が流れている。仕事柄、多くのオフィスを訪ねてきたが、働き場には、人と仕事の個性が滲み出るものとつくづく感じてきた。植原亮輔さんと渡邉良重さんが率いるキギのオフィスは、透明さをたたえた光と、過激さを秘めた穏やかさに充ちている。
この度、キギが始めた雑誌『KIGI_M』は、『private work』『product』『graphic』の3冊。それぞれ表紙には、タイトルとともに、『private work』号は「作品をつくること」、『product』号は「商品をつくること」、『graphic』号は「ビジュアルをつくること」と記されている。作品集と聞き、どしりとした書籍を想像していたのだが、見事に裏切られた。まさに雑誌感覚の軽やかな姿かたちで、価格も1600円とリーズナブル。上質な品性を備えながら、手に取りやすいことへの配慮がうかがえる。
なぜ雑誌を始めたのか …