NYを拠点に活動する映像ディレクター兼カメラマンの大島純さんは、インディペンデント映画業界に片足を置きながらCMやドキュメンタリーを制作している。
多様性とアートの密度が濃い特殊な場所
映画が文化に深く根付いている米国は映像に関してクライアントや視聴者の目がとても肥えている。その上、世界中からクリエイターが集まるNY。映像の仕事を掴むのは並大抵のことではなく、競争はシビアで熾烈をきわめている。「だからこそ、やりがいがあります。文化の多様性やアートへの関心の密度が濃いNYは特殊な場所。その多様性や出会いの刺激は何物にも代えがたい。インディペンデント映画業界では仕事を1年休んで自らの長編を撮るクリエイターがいるので脱帽です」。土地柄のせいか、とくに今はテーマも登場する人も多岐にわたるドキュメンタリーがおもしろいと大島さんはいう。
仕事上で一番気をつけているのは人とのコミュニケーションだ。「日本と米国という国の違いよりも東洋と西洋という、より大きな見方を心がけています。言葉だけではなく、根本的にコミュニケーションの仕方や思考がまったく違っていて、日本以上に複雑です。長く住むほどより細かく見えてきました。むやみに日本らしさを出すのではなく、こちらの文化にあわせて自分らしいキャラを出すようにしています」。
友人のクリエイティブプロジェクトへの参加や …