『個』を受け入れる余白や曖昧さのある場づくり
知り合いが、山道拓人さん・千葉元生さん・西川日満里さんの3人が主宰する建築設計事務所のツバメアーキテクツと仕事をしていると知って、手がけたプロジェクトを調べてみると興味深いものばかり。根底には太い基軸が通っている――主宰者のひとりである建築家の西川さんの話を聞きにいった。
デザインプロジェクトの現在
廣川玉枝さんは、服に限らず広いジャンルで活躍しているファッションデザイナー。最近のユニークな活動を聞きたくなって、代官山のショールームをたずねた。
01, 02 Skin series SOMARTA 2016 SS Digital CoutureAD&D:SOMA DESIGN Photo: SinyaKeita (ROLLUP studio.) ©SOMA DESIGN
03 創立140周年でリニューアルをした跡見学園の制服をデザイン。新デザインのコンセプトは「過去・現在・未来をつなぐ」。
廣川さんとは、ifs 未来研究所のメンバーとして参画してもらった時からのご縁。艶やかな美人だが、いざ仕事となると、テーマに向かう探究心は強く、課題解決に注ぐエネルギーはあふれんばかり。場の空気をかき混ぜるお茶目さや明るさも併せ持っている。魅力的なキャラクターの持ち主と感じた。
文化服装学院アパレルデザイン科を卒業後、「イッセイミヤケ」でニットのデザインを手がけ、30歳をきっかけに独立して「SOMARTA(ソマルタ)」をスタートした。ファッションデザイナーとしての活動をはじめ、ミラノサローネにおけるキヤノンの展示や、「レクサス」が開催した展覧会イベントへの参加など、多面的な活動を続けている。聞けば、食、旅行、アート、建築など、もともと関心の領域が広く、それらを複合的にとらえることで、ファッションを楽しく、感動できるものにしたいという。
最近、手がけた仕事のひとつは、東京の跡見学園中学校、高等学校の制服だ。1875年に跡見花蹊女史が開校した伝統ある学校の制服を、85 年ぶりに刷新する役目を担った。学校の制服を手がけるのは、初めてのことだという。発想をどのようにして生み出し、形作っていったのか―――まず取りかかったのはリサーチだ。創始者が抱いていた理念や志にまつわる資料をはじめ …