南仏カンヌで行われるカンヌライオンズを筆頭に、英国が誇るD&AD、その対抗馬とも言える米国のONE SHOW、かつての栄光は失ったが、いまだに存在感を持つクリオ賞、ディレクターやプロダクションが追い求めるIACP(International Association of Culinary Professionals)賞、そしてその下にひしめいている ニューヨーク・フェスティバル、ロンドン・インターナショナル、ANDY、Webby などの広告賞は、日本のアドパーソンにとっても馴染みの深いものだろう。
それぞれの賞がその賞の独自性をうたってはいるが、どの賞も結果的に似通ってしまっているのは、作品の多くがさまざまな賞をリピートして受賞しているからだ。今回、紹介するのは、そういったクッキーカッター(型にはまった)的な賞の中で、独自な視点で入賞作品を選んでいる、日本のアドマンにはまだほとんど知られていない賞。「DIGIDAY AWARDS」である。
オンラインメディアの広告賞
ここ数年、マーケティング関係のオンライン ニュース・情報メディアがめきめきと頭角を現している。毎朝、その日のトピックスをEメールで送ってくるので、メールボックスはそういったメディアからの情報で埋まっている。そんな中で、筆者が真っ先に開くのは、メディアポスト発行の「MAD」と、7年前にスタートした「DIGIDAY」なるデジタル・マーケティング情報メディアである。「MAD」は広告業界の最新のニュースを中心に、ゴシップや内輪話を報道しているが、「DIGIDAY」は広告業界やマーケティングのトピックスを、ジャーナリスティックな視点で報道するメディアである。「他の広告・マーケティング関係のデジタルメディアは、みんな何のストーリーもない情報を掲載している。DIGIDAYはその情報にユニークなストーリーがない限り、記事にはしない」と、同コミュニケーション部長ポール・コントリスはいう。
「DIGIDAY」は2008年 ...