ADK上海シニア・クリエイティブ・ディレクターに2013年に就任した三浦慶洋さん。三菱自動車工業、三菱ふそうトラック・バス、富士重工業、Honda(中国)、Nikon(中国)など、中国市場に向けて自動車産業のコミュニケーションを手がけている。
モーターショーの映像などグローバルに向けたクルマ関連の仕事が中心だったこともあり、漠然と国外で仕事をしてみたいと思っていた三浦さん。ADKが中国で自動車分野の提案力強化を打ち出した際、運良く白羽の矢が立った。中国は日本のような成熟市場でないこともあり、アプローチもモダンから超レトロまで玉石混淆。13億人を一気にカバーすることは不可能に近く、地域ごとのプロモーション活動が盛んだという。
「この国のプレゼンはとにかくキービジュアルが求められます。映像企画の前に、キー・ビジュアルを見せろ、と。企画アイデアを時間軸で構成する前に、まずはコンセプトを一枚画にまとめ上げ、伝えるチカラが要求されます」。大型OOHの出稿が概して多く、未だグラフィックの需要が高い。その分、単なる連動ではないアイデアが要求される。
「中国では、小さなユニットでアイデアを練ることが多く …