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東京ゲームショウ2015出展レポート(PR)

グランブルーファンタジー 東京ゲームショウ出展 制作チームが語る舞台裏

Cygames

前例のない展示を作り上げるにあたり、その舞台裏ではどう制作チームが組まれ、企画が進められたのか。その苦労やこだわりを制作チームに語ってもらった。

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左から、studioTED シニアプランナー 吉田貴行さん、同 プロデューサー 𡈽屋竜一さん、eND LLC 前文章さん、自由廊 JIROさん、モノトバ クリエイティブディレクター田中啓介さん、同 プロデューサー 久保慎太郎さん、丹青社 デザイナー 伊藤佑子さん、サイバーエージェント チーフプランナー/プロデューサー 日高勇太さん、同 シニアプロデューサー/クリエイティブディレクター 吉田敦さん、同 プランニングディレクター 二宮功太さん。

特殊造形に3D映像クリエイター
スペシャリストがチームに集結

「東京ゲームショウに巨大なグランサイファー(艇)を出現させる」。このミッションを実現するにあたり、サイバーエージェント プランニングディレクター 二宮功太さんはまず相談を持ち掛けたのが、特殊メイクや造形の第一人者・自由廊のJIROさんだ。大胆な表現力と繊細な技術を持つJIROさんであれば、ゲームの世界観を現実に表現してくれる。そんな期待を込めてのことだった。

艇以外のシアターやスタジオなどの造作物の相談は、丹青社の田中啓介さん(現・モノトバ)のチームへ。田中さんのチームは2009年から東京ゲームショウのブースを手掛けており、企画の段階からアイデアを出せるのが強み。ブース全体の企画を一緒に作り込んでくれるパートナーとして協力を依頼した。

そして、シアター内で上映する映像の制作はstudioTEDの吉田貴行さんに依頼した。studioTEDが得意とするのは3D映像の制作。吉田さんの手掛けた初音ミクのホログラフィック3Dライブを見たことが、声がけのきっかけになったという。

それぞれのチームで持ち場を進めながら、半年間毎週全チームが集まる定例会を実施し、意見を出し合ってきた。さらにそれぞれの持ち場でも毎週分科会を開催。半年間、全員がこのプロジェクトに没頭しながら走り続けてきた。

「そこまでやるの?」の連続
妥協せずにやり抜いた

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「グランサイファー」の平面図と3Dパース。ゲーム中のCGで使用している3Dデータから作成している。

8分の1のグランサイファーのサイズは長さ25メートル、高さ約9メートル。実現の最大のネックは、前例のないこの大きさだった。会場の制約により、高さ6メートルより上の部分はバルーンで、下は造作物としなければならない。質感の違いを極力出さないように、「元のデザインをなるべく壊さず、できる限り精緻に作る」(JIROさん)方針で作り込んでいった。事前にゲームショウの会場である幕張メッセを貸し切り、実際に仮組みするなど念には念を入れ、理想の形に近づけていった。

シアターは、当初は壁面と天井をスクリーンにする予定だったが、「天井からシャンデリアを下げるなど、シアター内の空間演出にもこだわりたい」(studioTED 吉田さん)という理由から、壁面と床をスクリーンにすることにした。高さの表現は、空の映像が観客の足元にある方が強く感じられるという吉田さんの経験知による判断だった。映像は3つのカメラを使い、近景と遠景を別々に制作し合成することで奥行きと立体感をさらに強めている。また、手書きイラストの世界観を大切に、3DCGに手書きのテクスチャーを取り入れている。

丹青社チームは、ブース全体の図面設計と導線設計、およびシアターの建物や壁など造作物を担当した。「ゲーム内の背景を描いている担当さんと一緒に進めていったのですが、Cygamesの皆さんの生半可でないこだわりに、グレードが異常に上がっていって…。例えば、こういった展示会では通常、壁のテクスチャーはプリントしたものを貼りますが、今回はCygamesの希望で凹凸をつけ、さらに風化加工もしています。壁の色も『床に近いところは風化して白っぽくなる』という指摘を受け、実は下だけ色を変えているんです」(田中さん)。

取材の中で、チームメンバーは口を揃えて「そこまでやるの?と戸惑った」と話した。何度も壁にぶつかりながらも、そのたびに妥協せずに乗り越えていった。それによって、結果的にアウトプットがよくなったというのも、一致して聞かれた意見だ。

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幕張メッセでのリハーサルの様子。


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シアター内の小物(シャンデリアや置かれたカバン)にもほこりを被せて雰囲気を出すなど、細部にまで手を抜かない。


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壁の質感や色は、ゲーム内の背景作画担当者のこだわりが強く反映されている。

クライアントの熱量に呼応して
チームの熱量が上がっていった

二宮さんはプロジェクトを振り返り、「チーム全体に『クライアントの熱量についていこう』という気持ちがあった。だからこの人たちを超えるものを出したいというモチベーションで取り組むことができたのだと思います」と話す。クライアントであるCygamesの春田さんがある時、「東京ゲームショウは最近『ショー』じゃなくなっていると感じる。でも、僕たちのブースはショーにしよう」と話したことがあったという。

クライアントが大きな舞台を用意し、関わるメンバー全員がものづくりへの熱意にブレーキをかけることなく、力を存分に出し切った。それが、この前例のないブースが実現した一番の理由ではないだろうか。

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  • 企画制作: CyberAgent+自由廊+丹青社+Studio TED
  • 企画:二宮功太、日高勇太、吉田敦
  • CD : JIRO、田中啓介、吉田貴行
  • PR :前文章、久保慎太郎、藤原沙織、𡈽屋竜一
  • D :伊藤佑子
  • AE :高橋史将、越久敬人

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