
『けもの道の歩き方』
千松信也
(リトルモア)
本書は、京都在住の猟師、千松信也さんによる7年ぶりの著書。「都市偏重を疑い、地方での職の可能性を探る本書ゆえに、東京だけで作り上げてしまいたくない」という編集担当者の思いもあり、山形県在住のデザイナー 小板橋基希さんにデザインを依頼した。
千松さんの希望で、カバーに使う鹿の絵は決まっていた。「その鹿の絵はやさしい印象で描かれていました。ただ、本の内容は人間と動物の関係をテーマにしているので、もう少し緊張感を出したかった。そこでイラストを円で囲み、人間と動物の境界線を感じてもらえるように“けもの世界への入口”をイメージしたデザインにしました」。その周りを秀英横太明朝に平体をかけた、少し癖のある書体のタイトルで囲んだ。
カバーには、ラフな風合いの紙ブンペルを使用。“けもの感”を出すべく、赤金の特色インクを載せて、動物の皮を思わせる質感に。表紙には、皮を剥がれた動物の肉の色をイメージし、濃いめの赤で印刷した。腰の柔らかい本文用紙を使ったことで、本そのものもしなやかに仕上がり、全体として“けもの感”に満ちた1冊となった。

「愛すべき今日」
エレファントカシマシ
(ユニバーサルミュージック)
エレファントカシマシの「愛すべき今日」のスリーブを開くと、メンバー4人の顔が並ぶ。それぞれの顔に動物や植物、幾何学模様などが施されており、なんとも不思議なビジュアルに仕上がっている。これは写真家アミタマリさんが撮影した写真をベースに ...