「がんばる母さんやめました」自分らしさを探る「卒母」の考え方
『卒母のためにやってみた50のこと』(大和書房)という本に出会い、ページを繰り出したら止まらない。手書きの文字とイラストで構成されているたたずまいもユニーク――著者でありグラフィックデザイナーの田中千絵さんに話を聞いた。
デザインプロジェクトの現在
長崎県美術館で「1∞ ミナカケル―ミナ ペルホネンの今までとこれから」が開催されている。東京のスパイラルガーデンで行った展覧会より大規模で進化していると耳にし、オープニングに合わせて取材に行った。
長崎県美術館には行くのは初めてのことだが、海沿いに位置していて“出島”にあると聞いた時から、取材に行くと決めていた。「ミナ ペルホネン」が長崎で創る世界は東京と別物になるに違いない。恐らくそれは、美術館の立地とも関係してくる。面積も東京での倍近くあるという。それはどんなものなのか――強く好奇心をそそられた。
同美術館が、これだけの規模でファッションに焦点をあてた企画展を開催するのは初めてだという。開館10周年を記念したイベントとして「強い思いを込めた」と事業企画グループ学芸員の川口佳子さん。長崎県には「ミナ ペルホネン」を扱っている店が少ないというから、その意味でも大胆な試みだ。
この展覧会、タイトルは東京と同じく「1∞ミナカケル」と付されている。「ミナペルホネン」が設立20周年ということで、「1∞」とは、ものを生み出す人、もの、こと、の掛け合わせを「1の無限乗」で表した。人、もの、ことの関係性を育んできた「ミナ ペルホネン」の“らしさ”が表れたタイトルだ。空間構成は東京での展覧会同様、パリを拠点に活動する建築家の田根剛さんのチーム、DGT.が手がけた。表層的な空間構成に陥ることなく、場の根幹にある思想を、空間まるごとで体感させるクリエイターだ。
訪れた美術館は ...