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「1∞ ミナカケル―ミナ ペルホネン​の今までとこれから」が長崎県美術館で開催

川島蓉子

長崎県美術館で「1∞ ミナカケル―ミナ ペルホネン​の今までとこれから」が開催されている。東京のス​パイラルガーデンで行った展覧会より大規模で進化​していると耳にし、オープニングに合わせて取材に​行った。

01 「リビング」のように座ってくつろげる展示空間。


02 最後の展示部屋には経糸共通で織りつないだ歴代のテキスタイルが。20年間の軌跡。


03 異次元の構成で世界観を表現した入口。

ものを生み出す人、もの、こと、の​掛け合わせは「1の無限乗」

長崎県美術館には行くのは初めてのこと​だが、海沿いに位置していて“出島”にあ​ると聞いた時から、取材に行くと決めてい​た。「ミナ ペルホネン」が長崎で創る世界​は東京と別物になるに違いない。恐らくそ​れは、美術館の立地とも関係してくる。面​積も東京での倍近くあるという。それはど​んなものなのか――強く好奇心をそそら​れた。

同美術館が、これだけの規模でファッ​ションに焦点をあてた企画展を開催するの​は初めてだという。開館10周年を記念し​たイベントとして「強い思いを込めた」と​事業企画グループ学芸員の川口佳子さん。​長崎県には「ミナ ペルホネン」を扱って​いる店が少ないというから、その意味でも​大胆な試みだ。

​この展覧会、タイトルは東京と同じく​「1∞ミナカケル」と付されている。「ミナ​ペルホネン」が設立20周年ということで、​「1∞」とは、ものを生み出す人、もの、こ​と、の掛け合わせを「1の無限乗」で表し​た。人、もの、ことの関係性を育んできた​「ミナ ペルホネン」の“らしさ”が表れた​タイトルだ。空間構成は東京での展覧会同​様、パリを拠点に活動する建築家の田根剛​さんのチーム、DGT.が手がけた。表層​的な空間構成に陥ることなく、場の根幹に​ある思想を、空間まるごとで体感させるク​リエイターだ。

訪れた美術館は ...

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