ブレーンのカバーを飾るのは、世界の先端を行くクリエイターたちの作品。「BRAIN’S BRAIN」では、「FUTURE」をテーマに彼らが制作したビジュアルとオフィスや仕事を紹介していきます。今月号の表紙を飾ってくれたのは、Edwin van Gelderさん。アムステルダムを拠点とするタイポグラファー、グラフィックデザイナーです
――表紙のアイデアについて教えてください。
日本に暮らす人々は、僕たちとは異なるタイムゾーン(JST)に住んでいます。ヨーロッパの人が過ごす時間(CEST)と比べると、7時間先を生きているんです。この丸い形は、日本と世界を意味していて、陰と陽の世界が両方あって成り立っているということを表しています。これは、ある段階からまた次の段階へ移行していくことを象徴しています。
――そのアイデアはどのように生まれましたか。
私は普段から時間というテーマに興味を持っています。そして今回、未来というテーマに対してこうした表現にしたのは、実際に私にとって日本が未来であるからです。
――日本の広告とデザインについてどう思いますか。
日本のグラフィックデザインは非常に美的に優れており、とても鮮烈です。私はそんな日本のデザインの遊び心と構成が好きです。また、日本ではテキストは水平では左から右、垂直では上から下に、さらに右から左へ読まれますが、私はその筆記の仕方にも関心があります。
Edwin van Gelder
Q1. What is the idea for this cover?
People in Japan living in a different time zone (JST), they live 7 hours in the future in comparison to people in Europe (CEST).The circle shape represents Japan and the world, yin yang both worlds complement each other. It symbolize a passage from one phase to another.
Q2. What made you come up with the idea?
I am always interested in time as a subject.And because the theme was about future I was thinking that actually Japan is the future for me.
Q3. What do you think of Japanese advertisement and design?
Japanese graphic design has a highly aesthetic and clear appearance. I like the playfulness and the compositions.I am also very interested by the writing system in Japan that text can be placed horizontally, from left to right or vertically,read top to bottom, and from right to left.
Edwin van Gelder
MAIN STUDIO
メインスタジオはアムステルダムを拠点にしたグラフィックデザインスタジオで、エドウィン・ヴァン・ゲルダーによって2005年に設立された。このスタジオでは、アートの交差点であることを起点に、出版、デジタルメディアや建築、ファッション、ビジュアルアイデンティティーを表現する作品を手掛ける。
各プロジェクトは、編集とタイポグラフィによりその形式と内容をつくりあげている。スタジオは従来のメディアを含む既存の印刷技術を用いつつ、デジタルメディアによる革新的なインタラクション設計を模索している。
また、ヴァン・ゲルダーはOne Show New York、the Art Director's Club New York、Tokyo Graphic Passport、the Art Directors Club of the Netherlandなどの審査員も務めている。これまでの主な受賞に、Best Book Design Worldwide(2013)、the Best Dutch Book Design'(2011 and 2012)、the Best Dutch Annual Report Design(2011)、New York(2009)など。