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BRAIN'S BRAIN

ポピーの花から考えた未来

Mette Salomonsen

ブレーンのカバーを飾るのは、世界の先端を行くクリエイターたちの作品。「BRAIN’S BRAIN」では、「FUTURE」をテーマに彼らが制作したビジュアルとオフィスや仕事を紹介していきます。今月号の表紙を飾ってくれたのは、デンマーク・コペンハーゲンのグラフィックデザイナーメッテ・サロモンセンさん。大好きなポピーの花をモチーフにデザインをしてくれました。

――表紙のアイデアについて教えてください。

私は“未来”というテーマを聞いたとき、私たちの未来への恐怖を考えました。この表紙では、私たちの未来がいかに脆いかを示したいと思いました。例え大きな計画や戦略であっても、昆虫が絶滅するなど取るに足らない小さなことで崩壊してしまう可能性があります。私たちが作物に化学製品をスプレーすることで、昆虫たちは生息する場所を失います。虫がいなくなると、植物が受粉することができなくなり、その結果として私たちは食べ物が手に入らなくなってしまいますから。

――そのアイデアはどのように生まれましたか。

ポピーの花びらは昆虫の繊細な羽に似ていることから思いついたシンプルなアイデアです。私はケシが好きです。色が鮮やかで、花も繊細だけれど、植物としてとても強い。昆虫にも好かれています。私の庭にもポピーが自生しているので、自分のオフィスのロゴにも取り入れています。

――日本の広告とデザインについてどう思いますか。

力強くて、綺麗な線で均整がとれているミニマルなデザインが好きです。それから、工芸も。そしてまじめに伝えるのではなく、“カワイイ”でブランディングするのも日本らしい。日本の多くの雑誌がたくさんの小さな写真と余白の絶妙なバランスでデザインされています。それによって美しい間が作りだされていることに、私は感動します。

Mette Salomonsen

Q1. What is the idea for the cover ?

When I was invited to illustrate the theme FUTURE, I thought about threats to our future. On my cover, I have attempted to illustrate just how fragile our future could be. Grand plans and strategies can be toppled by small things such as a scarcity of insects. When we spray our crops with chemicals we destroy their habitats. If there are no insects, there is no pollination of plants and therefore no food.

Q2. What made you come up with the idea ?

It is a banal and simple idea - the petals of a poppy resemble the delicate wings of an insect. I love poppies: The colors are strong, the fl ower is delicate, but the plant is very robust. Insects love them. They self-seed in my natural garden and I use a poppy in my logo.

Q3. what do you think of Japanese advertisement and design ?

I love the minimalism, the strong, clean lines and the well-composed design. I love the close relationship with the crafts. I love the use of mascots in branding and the ‘Kawaii’ in serious information. I am impressed by the fi ne balance in many magazines, with many tiny photos and a lot of white space. This creates beautiful spreads and is a different way of thinking design than I was schooled in.

01 デンマーク・西海岸ジーランのSkamlebæk にある
古い緑の家の中にあるオフィス。
02 コペンハーゲンの中心にある、かつて馬小屋だった場所に構えたスタジオ。

 

03 LOUISIANA MUSEUM OF MODERN ART
for an art exhibition related to the Arctic のカタログ

 

04 EMCON,
property and building consultancy のVI

 

6,07 デンマークの月刊誌「THE MURMUR」は、
英語で書かれている。この号はファッションデザイナー、
ヘンリック・ヴィブスコブを特集している。
(写真:P. Vinogradova)

 

05 ホームレスと社会的弱者のためのデンマークの新聞「Hus Forbi」。
新聞は毎月、街中のホームレスによって販売される。
(写真:M. K. クリステンセン)

 

salomet grafik(メッテ・サロモンセン)
salomet grafik は、Mette Salomonsen によるカンパニー。Mette は、DJMX(the Danish school ofmedia and journalism)でグラフィックコミュニケーションを専攻。現在、デザイン、雑誌、アートブック、本、新聞、そしてビジュアル・アイデンティティなどのアートディレクションを手がける。
www.salomet.dk

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