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言葉力が光る ラジオCM

名作ラジオCM10選 その5 主役は効果音、言葉は少量

多田伸一

歴史に残したいラジオCMを編集部が選びました。発想の原点、技術的な工夫など制作者のコメントともに紹介します。

視聴可能な音源はこちらのページで聴けます。

(音源公開は9/30までとなっております)。
https://www.sendenkaigi.com/brain-201510-special-contents.php

主役は効果音、言葉は少量

20年ぐらい前の話である。その頃の大阪はまだバブルの余熱のようなものがたっぷりと残っていた。帝国ホテル初めての大阪開業。そのキャンペーンのすべてをつくらせてもらった。たぶん新聞や雑誌、交通広告などグラフィック媒体が中心だったと記憶する。ラジオCMはむしろオマケのような作業だった。でも最初から決めていた。このラジオCMはテレビや新聞では決してできない、というかそれよりも良質な表現をつくろうと。映像がない、文字も、絵もない。音だけの世界で、どこまで物語がつくれるか。効果音だけで成立するCMを目指そうと。結果として言葉を必要としたけど、主役はあくまでも効果音。効果音の魅力を引き出すために、少量の言葉を添えた。実はこの言葉選びが重要なんだけどね。まずネタ探しに3カ月ぐらいの時間をかけた。帝国ホテルの歴史を勉強したり、フランク・ロイド・ライトについて調べたり、東京の帝国ホテルのロビーを歩いたり …

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