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ロボットのキャラクターが本を通して出会う人間の“感情”とは?

新潮社

今年で創刊100年を迎える新潮文庫。この記念すべき年に新キャラクターとして登場したのは、ロボットの「QUNTA(キュンタ)」である。

01 新聞広告
02 新潮文庫の100冊メインビジュアル
03 店頭で配布しているしおり

04~06 店頭での展開の様子

本の本質は“人間の感情”にある

「“次なる100年”を迎えるにあたり、新しいコミュニケーションを打ち出したい」。博報堂の吉岡丈晴さんが、新潮社からこうした依頼を受けたのは昨年のこと。新潮文庫の取り組みとして誰もが思いつくのは、1997年の登場以来、約16年にわたり活躍した“パンダのYonda?”ではないだろうか。吉岡さんは本プロジェクトのパートナーにアートディレクター 柿崎裕生さんを指名し、まずは過去を検証。しかし、「Yonda?キャンペーンは僕らが考えられることをすべてやり尽くしていました」。ただYonda?を展開していた頃と現在ではまた時代が違っている。それは若者層を中心にますます離れてしまった「本との距離感」だ。そんな今だからこそできることがあるのでは、と吉岡さんは考えた。「制作チームで、本とは? 新潮文庫とは? という議論を重ねた末、本の面白さの本質の大きな部分に“人間の感情”があるのではないかと結論にいたりました」(吉岡さん)。

柿崎さんが提案したキャラクターは感情から最も遠い存在とも言えるロボット。「本から人が離れている時代だからこそよい距離感で本を客観視する存在がほしかった。初めて文庫に触れて、ゼロから感情を学んでいき、人間の書いたもの、本って楽しいと感じてくれる。その役割はロボットが最適なのではないかと思いました」(柿崎さん)。

ロボットのデザインは …

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