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空想を具現化したパイプオルガンによる実演

藤田陽介

空想を具現化した完全自作のパイプオルガンと声を軸に、ときに朗読や演劇的なアプローチで、ときにサイトスペシフィックな要素を織り込んだ形で“音楽”を展開する音楽家・藤田陽介さん。その独自のパフォーマンスはどこから生まれてくるのか。

01 8月1日に発表されたDVD作品「カントリー・ジェントルメン」
山川冬樹×藤田陽介(監督:吉田悠)
写真:田川友彦

異空間へと誘う自作パイプオルガン

もともとはアコースティックギターの弾き語りをしていた藤田さん。現在のパイプオルガンの発想は、ある日突然閃いたという。ふいごからパイプまでを一人で作り上げ、構造や演奏方法のすべてが特異。鍵盤すら持たないパイプオルガンの音色と声は聴く人を異空間へと誘う。

「はじめは楽器ではなく、舞台美術のような物体を、言いかえるなら自分が演奏するための操縦席を作ろうと思いました。その頃は知識も技術もなかったので、ネットで情報や画像をかき集めながら …

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