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EDITOR'S CHECK

YMO「NO NUKES 2012」、川崎アゼリアロゴほかのデザイン

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『止まりだしたら
走らない』品田遊

(リトルモア)

○AD/森敬太(セキネシンイデザイン室)
○イラスト/error403

Twitterのフォロワー6万以上、“ダ・ヴィンチ恐山”こと品田遊さんによる初の小説は、モノトーンのイラストとユニークなタイトルが目をひく。さらにページをめくると、文字の大きさ、書体、色が章ごとに変化、イラストが文章の中に縦横無尽に入りこんでくる。ある意味、小説らしからぬデザインだ。「短編と連作が交互に入り、同時に進行していくという構成。読む人にその変化を感じてほしいと考えました」と、デザインを手がけた森敬太さん。

短編はスミ文字でかっちりと組む一方、連作は文字に青を使い、Q数をあげ、行の頭を一角半落とすなど、ゆったりと組んでいる。「中央線がテーマの小説。自分ではコントロールできない電車のスピードを意識し、物語に合わせてデザインで緩急をつけています」。

カバーと挿絵は、森さんが主宰する漫画誌『ユースカ』の同人で、旧知の仲であるerror403さん。イラストは一点ずつ細かいやりとりを繰り返し、error403さんが半年以上かけて仕上げたものを紙面に落とし込んだ。ユニークなデザインも奏功し、新人作家ながら発売後すぐに重版になったという。



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「NO NUKES 2012」
イエロー・マジック・オーケストラ

(AVEX MUSIC CREATIVE)

○AD+D/長嶋りかこ

2012年に開催された、脱原発をテーマとした音楽イベント「NO NUKES 2012」。その時に出演したイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のライブ音源がCD化された。「坂本龍一さんと知り合う前に、偶然このライブを観にいっていたので、自分がデザインすることになり驚きました」と、長嶋りかこさん。

メインビジュアルは、福島第一原発を上空から撮影した写真。本来、原発がある場所は丸く切り抜かれている。実はこの写真はジャケットではなく、スリーブに使われている。ジャケットは、白地にタイトルが入っているだけのシンプルなデザイン。表4には、切り抜かれた原発の写真が入っている。「スリーブからCDを抜くという行為が、脱原発というアクションとメッセージに通じるのではないかと思いました」。

中面と歌詞カードには、ライブの高揚感が伝わってくる写真を多用。坂本龍一さんがライブ中、振り続けていたフラッグの写真は、歌詞カードで象徴的に使っている。実際に体験したライブだからこそ選んだ写真だ。自身の体験も含めて …

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