「がんばる母さんやめました」自分らしさを探る「卒母」の考え方
『卒母のためにやってみた50のこと』(大和書房)という本に出会い、ページを繰り出したら止まらない。手書きの文字とイラストで構成されているたたずまいもユニーク――著者でありグラフィックデザイナーの田中千絵さんに話を聞いた。
デザインプロジェクトの現在
ニューヨーク発の食のセレクトショップである「DEAN & DELUCA」が、福岡に日本最大規模のショップをオープンした。どんな新しい顔を見せているのか、早速取材に行った。
改めて触れるまでもないが、「DEAN&DELUCA(以下、D&D)」は、1977年、ニューヨークのソーホーで生まれた。店名は、創始者であるジョエル・ディーン氏とジョルジオ・デルーカ氏の名を掲げたもの。オープン当初から、市場的な賑わいがありながら洗練された空間、圧倒的においしそうな商品の並べ方、匂いや音も含めて五感に訴えかける店として、ファッション業界からも、熱い注目を集めた。
日本に導入したのは、「TODAY’SSPECIAL」や「CIBONE」なども手がける横川正紀さんだ。2003年に東京・丸の内に第一号店を開いて以来、日本における「D&D」の地位を築いてきた。米国生まれの「D&D」をそのまま持ってくるのではなく、「あたらしい食の感動」を届けたいというブランドの根っこを活かしながら、日本の食品を取り入れたり、国内外の器のイベントやシェフの料理教室を行ったりと、「D&D」の世界観を広げてきた。
今回のショップは、「D&D」が日本に上陸して10年が経ったことを区切りに、「次の10年を創っていく店」と位置づけ、思い切った試みに挑戦した。ロケーションは、福岡の中心街、天神地区にあるファッションビル「ソラリアプラザ」の地下2階。もともと駐車場だったスペースを、新たに飲食フロアに仕立て直すということで、横川さんに相談が来たのだという。2014年秋のことというから、猛スピードでプロジェクトはスタート・進行した。フロア全体の計画からかかわった横川さんは、最終的に約半分を占める260坪の売り場を担うことになった。
「ソラリアプラザ」は、三越と岩田屋という2つの百貨店の間に位置している。新しい地下道があるのだが …