自ら開発したプログラムを操り、既存のデータを破損させることで生まれるヴィジュアル・グリッチ表現でライブパフォーマンスやMV制作を行うプログラマー/アーティストのucnvさん。その手法は新世代の表現の境地として国内外で注目を集めている。
破綻してその本質が露わになる現象を描く
2000年代末、プログラムを書き捨てて楽しむ緩やかな輪がネット上にあり、ucnvさんもその一人だった。「画像などのデジタルデータを破損させて表示するグリッチという遊びが好きで、生成プログラムを書いていました。ある日思い立って、誰でも使えるオープンソース・ソフトウェアにしたんです」。その成果は特に海外でグリッチ・アーティストとして認知され、国内でもSNSを通じ興味を持つ人が増えた。以来、ライブやVJ、MVを手がけ、次第に展示の誘いも増えていった。
「起こった現象をなるべくそのまま放り出す方法で作品を制作しています。表象にあまり興味がなくて、作品に必要以上の物語が付随するのも好きではありません。だから …