01 オールステート「ソーシャルメディア泥棒」:保険会社オールステートは、ソーシャルメディアであまりにも個人的な情報を流すことの危険性を指摘するために、大学フットボール戦を見るために家を留守にするとソーシャルメディアに投稿したカップルの家に忍び込み、家財道具一切をオンラインで競売。ソーシャルメディア上でセンセーショナルな話題となった。
今年もカンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルが花火のように華々しく打ち上がり、さまざまな余韻を残して消えていった。
だが、カンヌのグランプリをものにしたクリエイティブ作品でも「知る人ぞ知る」といった世界に消えていく運命にある。クリエイターの口癖、「最高の作品はいま作った作品」は、広告の運命を象徴しているとも言えるのだ。
そんな広告賞の中で、受賞作品が歴史の一部となって永遠に保存される賞がある。米国クリエイティブ界の人たちにとって重鎮のように重みのある賞でありながら、その名前が業界以外の人々の口に上ることはあまりない。米国のCM制作界に君臨するAICP(Association of Independent Commercial Producers)が提供している“Next Awards”と呼ばれる賞がそれだ。この賞の受賞作品の全ては、ニューヨーク近代美術館(MOMA)のアーカイブとして保存され、そこで永遠に保護される。
AICPの“Next Awards”
02 AICP最高理事情マット・ミラー。
Next Awardsは9年前に創設された。誕生の理由を、AICP 理事長マット・ミラー(02)は、「数年前にヒットしたBMWの“BMW Films”がブランデットコンテンツの始まり。以後、これまでに無い作品があちこちから生まれている。例えば大統領の専用機US 1に落書きをするバイラルビデオ“Marc Ecko Tags Air Force One1”や、ロンドンBBHが制作したグリーンピースの形をした車“Pea Car”など、ある意味では広告の …