12歳で単身渡英。LCC卒業後に音楽業界でライブ映像作家としてキャリアをスタートした木村太一さん。現在は多くの人気海外アーティストのミュージックビデオを監督している。
もっと深く自分の原点を見つめ直す
木村さんは、映像の中に日本出身というバックグラウンドを表現するようにしている。「人生の半分以上を英国ロンドンで過ごしていますが、現地のクリエイターには真似のできない日本独特の観念や視点をバランス良く含めた“圧倒的な説得力”を持つ映像を作ろうとしています」。
海外の仕事で最も重要なのは“自己主張”であると木村さん。「広告主や上司、大御所のアーティストであっても自分の意見を恐れずにはっきりとぶつける。意見の衝突を必ず求められる環境です。相手の意見を尊重しながらも異なった提案をすることで、最善の手段を追求する。科学でも哲学でも歴史上そうやって結果は生まれてきました」。年齢や国籍を無視して、自己主張できる平等な環境だからこそ、海外だと若いアーティストや監督が世に出やすいという。
「海外で学び、影響を受けることは良いことです。ただ海外の考えに影響され過ぎて …