シヤチハタが2014年11月に発売した「エポンテ」。これは同社が新しい市場を切り拓くべく、開発した知育玩具である。
とにかく、まず形にする
この企画は4年前、電通中部支社 クリエーティブディレクター 𡈽橋通仁さんがシヤチハタチームに参加したとき、すでに始まっていた。シヤチハタの商品は基本的にBtoBで、ビジネスユースが主。この市場では高い認知度を得ていることもあり、新しい市場、新しいターゲットの開拓が急務になっていた。それを探る中で、これまで培った技術を使い、従来にはない商品を開発することを検討。従来のビジネス市場とは対極にある子ども向けの知育玩具市場への参入を狙うことになった。
発達心理学の分野で知られる内田伸子先生が監修で参加していたことで、開発する玩具の方向性は明確だった。同心理学の分野では「3~5歳の時期に想像力・創造力を育む刺激を受けることは、知識づくりにも影響する」ことが明らかになっている。そこを起点に、3歳から遊ぶことができる、「想像性・創造性を育む」玩具の開発が目標となった。
開発チームは同社マーケティング室長富永浩稔さんを中心に、𡈽橋さん、コピーライター 尾崎敬久さんほか電通中部支社のスタッフ、そして制作会社 たきC1のスタッフが参加した。「重視したのは …