東京都練馬区は、今年6月に「よりどりみどり」をスローガンに、「YoriDoriMidori(よりどりみどり)練馬」プロジェクトを開始した。
「練馬区は住みたい街では143位。でも、住んでよかった街では10位。つまり魅力がきちんと伝わっていない“ギャップ街”なんです」と話すのは、このプロジェクトのプランナー 畑中翔太さん。官公庁の仕事をいくつか手がけていた畑中さんは、2013年にシティプロモーション担当として練馬区区長室広聴広報課に登用された元博報堂の市橋歩さんから声がかかり、練馬区に関わるようになった。同区について学ぶ中で見えてきたのが、「練馬区の本当の魅力を知っているのは区民しかいない」ということ。「住みたい街と住んで良かった街のギャップが何よりもそのことを物語っています。区民こそが広報の主役になるべき。そこで、区民に自ら練馬区の魅力を見つけてもらい、それを発信してもらえるような運動体をつくろうと考えました」(畑中さん)。
その仕掛けとして、プロジェクトが採用したのが、画像共有アプリ「インスタグラム」である。そこにアップしてもらう写真のテーマは「みどり」だ。このテーマに決めた背景を、企画書ではグラフで明確に伝えている。「区民意識意向調査によると、練馬区のすみやすさの一番の理由は“緑豊かで環境がよい”ところ。2位は交通の便がいい、3位は買い物がしやすいと続きます。実は緑が多いという理由で住むところを選ぶ人は少なく …