重低音のBGMが流れるなか、登場するお腹ポッコリの冴えない男性。明るく軽やかな曲に転じると同時に、同一人物とは思えないほど腹筋が割れたマッチョな男性が登場する――。話題のRIZAPのCMは、「ビフォー」「アフター」を徹底的につきつめている。
RIZAPのブランド価値を高めたい
RIZAPを展開するのは、健康食品を主に販売する健康コーポレーション。「トレーニングジムRIZAPのブランド価値を高めるCMをつくりたい」と、同社より電通九州に依頼があったのは、2013年秋のことだった。
一般的に、ブランド広告はレスポンスが取りにくいという定説がある。しかし、RIZAPのCMは、同社瀬戸健社長から「ブランド広告で、かつレスポンスが取れるCMにしてほしい」と高いハードルを設定された。担当した電通九州 クリエーティブディレクター 今永政雄さんとコピーライター 中村直史さんは「通販の世界で結果を出してきた瀬戸社長はとにかく“効く広告”(レスポンスがある)かどうかに重点を置いています。ブランディングとの両立は難しい課題でした」と語る。
瀬戸社長からは、効く広告となるために“ビフォー”と“アフター”をわかりやすく示すことを求められた。調べてみると …