患者もスタッフも 顔が明るくなる空間
今回紹介するのは、ロンドン東部のホワイトチャペルにあるロイヤル・ロンドン・ホスピタル新館に近年オープンした小児病棟。ここは1740年に創立した由緒ある病院で、あの映画「エレファントマン」の舞台にもなった場所。18世紀に建てられた病院の建物は趣があり、なかなかにいい雰囲気だったのだが、老朽化が激しくなったために現在は同じ敷地内の新病棟に主な機能が移行しつつある。
新館の小児病棟は2013年から現在までアートプロジェクトが継続されており、ロンドン東部に拠点を置くデザイナーやアーティストも多く参加。一番の目玉は2013年にオープンした0歳から18歳までの患者のセラピー用のスペース「The Ann Riches Healing Space」。室内は吹き抜けの天井、壁一面はガラス張りになっていて、自然光が溢れる快適な空間はまるで美術館のよう。インテリアは建築事務所Cottell&Vermeulenと女性アーティスト、モーラグ・マイヤーズコフ(Morag Myerscough)とのコラボレーションで、直径4.5メートルのランプシェードをはじめとした巨大な家具やオブジェを配置し、不思議の国のアリス的な世界観を演出。レトロなテレビの内部はゲーム用の部屋になっていて …