ある夜、部屋でくつろぐ女性の前に突然現れた小さな姉妹。その名も「パイ田姉妹」という。彼女たちは一体何者なのか…。不思議なキャラクターと共に物語が進んでいく。
自分のことを考えるきっかけをつくる
制作をしてくれたのは、今年2月に電通クリエーティブX内で結成された女性チーム「くろす・もも組」。プロデューサー外山良子さんを筆頭に、ディレクター、コピーライター、アートディレクターなど、各分野を得意とするメンバーが揃う。今回、もも組全員が参加して案を出し、ブレストを行ったという。「祖母が乳がんだったため、私はまじめな方向で企画を考えていたのですが、ディレクターの高野が出した企画を見たとき、こちらのほうが伝わるのではないかと思いました」と、コピーライター 佐々木千穂さん。
高野千砂さんが出した企画に登場するのは、胸を擬人化したキャラクター「パイ田姉妹」。ある夜、突然部屋に現れたパイ田姉妹が、彼女たち(胸)の持ち主である女性に乳がん検診について訴える。「ものすごくシュールなシチュエーションですが(笑)。おっぱい自身が持ち主である女性に“検診を考えてほしい”と伝える。自分の分身ともいえる存在に言われることが、自分のことを考えるきっかけにもなる。それがメッセージを伝える上では一番強いのではないかと思いました」(高野さん)。
以前からマペットを使った映像に挑戦したかったこともあり、高野さんの案をもとに、デザイナー 岡田尚子さんがキャラクターをデザイン。美術造形を手がける高橋岳史さんにマペットを制作してもらった。パイ田姉妹は丸い体に、小さな手足がついたデザイン。姉・パイ子は気が強く、妹・パイ美はおっとりした性格。それを反映させて、見た目の印象も少し変えている。よく見ると鼻は乳首になっているが、いやらしさは感じない。「このキャラクターに言われたら、検診に行かなくちゃ、という気持ちになってもらいたい。誰が見てもかわいいと思ってもらえるキャラクターを目指しました」(岡田さん)。
今回はもも組メンバーのほかもすべて女性スタッフで制作にあたった。「もも組が、初めて世に出す作品。そこで生まれたパイ子とパイ美を今後いろいろな形で展開できたら、うれしいですね」。
「パイ田姉妹のお願い」篇
パイ美: パイ子早くおっしゃい!
パイ子: パイ美お姉様、
あまりそう急かさないで下さいな…
パイ美: もう!図体ばっかり大きくて
気が小さいんだから
パイ子: いいすぎじゃありませんこと!
女性: ん…?何これ!?
S: パイ田姉妹 姉 パイ美 妹 パイ子
パイ美: あ!申しおくれまして…
私たち、あなたのおっぱいですの。
女性: え…。なんで私のおっぱいが…。
てか、姉妹だったのね、あなたたち。
パイ美: そう、この世に生をうけてかれこれ
うんじゅうねん。
色々あったわね、私たち。
パイ子: そうですわねえ…
パイ美: 私たち、貴方の魅力に
大きく寄与しているという
自負がございますわ。おほほ‼
パイ子: おほほ‼
女性: それはそうと、何であなたたちが?
パイ美: ここからが大事なの‼
パイ美・パイ子: パイ田姉妹から大切なあなたに
お願いがありますの♡
女性: えっ!何?
パイ子: 乳がんの早期発見のため、
40歳を越えたら2年に1度は
マンモグラフィーを受けてほしーの。
パイ美: 私たち、あなたの健康を
心から願っておりますのよ…!
女性: えー。でも検診行く時間とれないのよね。
パイ美: そんなこといわないで。
あなたを大切に思う人…
いっぱいいるでしょ?
私…知ってる…♡
女性: え~…なによっ!
パイ美・パイ子: だから…お願い!
女性: あー‼私のおっぱい‼
わかった、わかったからー。
パイ美・パイ子: ありがとう!これで安心して
あなたといられるわ。
女性: …これからは乳がん検診、
ちゃんと受けるからね。
NA+S: 乳がんは早期発見で治せる病気です。
あなたの大切な命のために
乳がん検診にいきましょう。

左上から、外山良子(プロデューサー)、高野千砂(ディレクター)、
中左から、佐々木千穂(コピーライター)、岡田尚子(デザイナー)、
下左から、藤井佳代子(アートディレクター)、野水路子(Webディレクター)
くろす・もも組「女性だからわかる」「女性でないとわからない」そんな製品、企業に対応するために結成された電通クリエーティブクロスの女性チーム。あらゆる角度から模索し強いソリューションを提案するため、プロデューサー、映像ディレクター、プランナー、アートディレクター、コピーライター、WEBディレクターなどさまざまな分野を得意とするメンバーで構成している。 |
- 企画制作:電通クリエーティブX
- 演出+企画:高野千砂
- C+企画:佐々木千穂
- AD:藤井佳代子
- D:岡田尚子
- PR:外山良子
- PM:横山詩歩
- 撮影:遠藤裕美子
- 美術造形:高橋岳史
- 出演:鯨エマ
- NA:高橋夏季
- HM:顕谷千代
- 編集:二口春奈(オフライン)、若月智世(オンライン)
- MIX:三神健太

スマートフォンで上の画像が動きだす!
無料アプリ「aug! オーグ」をスマートフォンにダウンロードして、右のキービジュアルにかざすと、今回制作されたCMが再生されます。(iOS6以上を搭載した、iPhone、iPad。およびAndroid4.0以上を搭載したAndroidに対応)。
ピンクリボンフェスティバルのWebサイト(http://www.pinkribbonfestival.jp)
ブレーンのデジタル版(https://mag.sendenkaigi.com/brain)からも視聴いただけます。
協賛:富国生命保険相互会社
主催:ピンクリボンフェスティバル運営委員会(日本対がん協会、朝日新聞社ほか)
後援:厚生労働省・日本医師会・日本看護協会