読者の皆さんからクリエイティブの仕事をする上での悩みや課題を送っていただきました。その中から今回、職種にかかわらず、多くの方々に共通するであろう課題や悩みを編集部がセレクト。第一線で活躍中のクリエイターの皆さんに自身の経験やこれまでを振り返ってもらいながら、質問にご回答いただきました。
Q:自分ができない領域の仕事(時間的に、予算的に、技術的に)
が持ちかけられたとき、どのように対応していますか。
A:自分で制限をつくるのはもったいない。
スタッフィングとアイデアで乗り切ろう!
「急な」案件にはチャンスが潜んでいる
基本的に僕は「できない仕事はない」と考えています。納期の来ない仕事がないように、どんなに心配になるような案件でも、必ずプレゼンの日も、納品する日もやってくるわけですから。つい最近、オリエンからプレゼンまで1週間弱という案件があり、そのときは「クオリティのことを考えたら、断るほうがプロなのではないか?」とも考えました。でも、多くの候補の中から僕に依頼してくれるということは、時間・予算・技術なことなどすべてを含めて「この人ならやってくれる!」と思われた、または「僕らしさを求めている」からに違いありません。それであれば僕は、とことん「自分色に染めよう」「フルスイングしよう」と考えます。また、無理だと思う仕事量を引き受けて、乗り越えることで力は伸びていくものです。
専門領域以外の案件を頼まれたら専門家をチームに入れればいいだけで、断る理由や仕事ができない理由にはなりえません。営業に対しては「自分は専門ではない」ということを伝えますが、それでもお願いされるのであれば、「クライアントは専門家ではない視点や新たな切り口が見たい、または違う方法論がほしいのだ」と考えます。基本的に自分から限界をつくって、シャッターを下ろすようなことはしないように心がけています。僕はもともとプロモーション局でしたし、自分がスタッフィングするとき断られる辛さもわかるし、引き受けてもらうことで助けられてきたので、いざ自分の番になった途端に断るということはできません。それに一度断られると次にまた頼みづらくなる。だからできる限り引き受けるようにしています。
ただし「何でも屋」であることを前面に押し出しているわけではありません。自分が過去に手がけた「CM作品集」をつくり …