読者の皆さんからクリエイティブの仕事をする上での悩みや課題を送っていただきました。その中から今回、職種にかかわらず、多くの方々に共通するであろう課題や悩みを編集部がセレクト。第一線で活躍中のクリエイターの皆さんに自身の経験やこれまでを振り返ってもらいながら、質問にご回答いただきました。
Q:東京以外の場所で、デザインの仕事に関わっていくことは
できるものなのでしょうか。
A:どんなに小さな町にも、
デザインのニーズはあります。
“引き出し”を持っている人ほど向いている
出身は群馬です。大学から山形に住みはじめました。大学在籍時にフォトグラファーとして仕事をはじめ、その間にこの土地の自然、暮らし、遊び、食べ物に魅せられ、卒業後も山形に残りました。2001年に写真撮影の会社サンデーブースを、その後アカオニデザインを設立。現在は2つの会社を統合し、グラフィックデザイン、写真、Webの制作を手掛けています。スタッフはいま非常勤を入れて8名ですが、他県から来た人が約半分、都内から戻った人が3人とバラエティー豊かな構成です。
僕が会社を立ち上げたときから現在までを振り返ってみると、山形のデザインの状況は少しづつ変わってきていると思います。以前より若いデザイナーは増えているようですが、地方の場合、チラシやDMなどのグラフィックを請け負うのは主に印刷会社。そこに制作部門があるケースが多く、地元のデザイン会社は印刷会社の下請けのような形で仕事をすることも少なくありません。もともと仕事量のパイが少ないこともあり、僕もかつて印刷会社と仕事をしたときに「名刺は出さないで!」と言われた経験があります。直取引されると困るからです。印刷会社と競合するつもりはないけれど …