五輪のデザインはデザイナーにとって究極の憧れの仕事のひとつだろう。イデアクレントのクリエイティブディレクターの篠塚正典さんは、33歳のとき、長野オリンピックのシンボルマークを手がけた。デザインするときに常に念頭に置いているのは、「20年後も使えるかどうか」。広告のクリエイターとは、時間の流れの感覚がちょっと違う。
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篠塚正典(しのづか・まさのり)
1960年東京生まれ。多摩美術大学を卒業後、アメリカのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインにてグラフィック/パッケージデザインを学ぶ。アートセンター卒業後、ランドーアソシエイツにてデザイナーとして活躍。92年帰国し、翌年に長野オリンピックのシンボルマークをデザイン。95年、ブランディングデザインとパッケージデザインを専門とするデザイン会社イデアクレントを設立。近年の主なクライアントに、明治、東芝、スターバックスコーヒーなど。大学や専門学校での講師も務める。
20年後も使える息の長いデザインを
――長野オリンピックのシンボルマークのデザインをしたときのお話を聞かせてもらえますか。
少しさかのぼってしまいますが、僕は多摩美術大学でグラフィックデザインを専攻し、そのときに出会った教授の勧めで …