『打てば響く
音の力、鍼の力』
竹村文近・大友良英
(NHK出版)
音楽家 大友良英さんと鍼灸師竹村文近さんによる共著は、「音楽と鍼、それぞれ全く異なるアプローチだけど、“癒し”という共通した効力を持っている」というテーマのもとつくられた本。デザインを依頼された居山浩二さんは、「当初は語感、字面が印象的なタイトルで、それを生かすことが“つかみ”になると考え、文字のみでデザインを進めていました。途中でタイトルが変更になったのですが、お二人の仕事に通ずる、わかりやすいタイトルになったので、むしろより積極的に文字のみで進めていくことにしました」と話す。
カバーは、ピンクと黒。ともすればスイートなイメージにも、パンキッシュにも見える組み合わせだ。「癒しに通ずる、優しげなカラーリングを検証する中で、それだけでは二人のキャラクターにフィットしていないように思いました。それよりも相反するイメージを内包する“ピンクと黒”というカラーリングが、異才であり異能でもあり、メジャーのようでマイナーでもあるお二人にピッタリだと考えました」。色の強さが、この本の個性を際立たせている。 …