「がんばる母さんやめました」自分らしさを探る「卒母」の考え方
『卒母のためにやってみた50のこと』(大和書房)という本に出会い、ページを繰り出したら止まらない。手書きの文字とイラストで構成されているたたずまいもユニーク――著者でありグラフィックデザイナーの田中千絵さんに話を聞いた。
デザインプロジェクトの現在
「ルミネ」が独自性の高いさまざまな活動を展開している。ファッションビルという枠組みをはみ出すエネルギッシュなイベントを紹介する。
「LUMINE the QUARTIER-LA」は、若手デザイナーズブランドを世に送り出そうと、ルミネが2001年から続けてきた活動だ。これをさらに強化しようと、昨年10月21日~25日まで、東京・外苑前のifs未来研究所サロンにて、合同展示会「LUMINE the QUARTIER-LA Exhibition & Market(以下 カルチェラエキシビション&マーケット)」を行った。リーダーを務めたのは、業態マネジメント部ディレクターの岸有恵さん。「どうしたら若手デザイナーズブランドの発掘・育成を本来的な意味で実現できるのか、ルミネならではの独自性を出せるのかを考え、外部プランナーの盛井康祐さんと一緒に企画した」という。盛井さんは、かねがね「合同展示会がいわゆる“展示会ビジネス”になっていて、出展料や設営費を負担できない若手が多い。もっとデザイナーズブランドと顧客、主催者が一緒に成長する場を作りたい」と感じていた。そして、この2人を中心に展示会づくりに挑戦したのだ。
「カルチェラエキジビション&マーケット」の特徴は大きく2つ。ひとつは、参加ブランドのアドバイザーとして、「コンシェルジュ」という役割を作ったこと。商品展示にとどまらず、ブランドの世界観を伝えながら、受注と販売の成果を得るための工夫を、さまざまな視点からアドバイスする人員だ。ここまで丁寧に出展者の面倒を見る展示会は前例がない。しかし、もともとルミネは、ファッションビルとして場所貸し業をやっているわけではない。フロアマスターという役割があり …