IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

クリエイターの視点

地域に必要なのは、 新しいメディアと ビジネスモデル

鷹觜愛郎(博報堂 ディレクション局 クリエイティブディレクター)

カンヌライオンズPR部門でグランプリを受賞した「ライスコード」。この開発に携わった鷹觜愛郎さんは地域で仕事を続ける中で、新しいメディアを使った、新しいビジネスモデルの構築が必要だと考えた。

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01~03 画像認証アプリ「ライスコード」。画像認証とEコマースを組み合わせることによって田んぼをメディア化し、お米の直販システムを構築した。

観光地と売り場を直結するアプリ

私は2012年9月に東京・博報堂のエンゲージメント・クリエイティブ局(当時)に出向になるまで、岩手、秋田など東北を中心に仕事をしてきました。日本はかなりレアで、47の県域にテレビ、ラジオ、新聞、雑誌といった地域マスメディアが全部揃っています。いままでの地域広告は、東京のミニ版でビジネスが成立していましたが、デジタルメディアは構造が異なります。デジタルの特性を活かした、地域発の課題解決モデルをつくっていく必要があると思います。

2011年、東日本大震災を支援すべく「浜のミサンガ」を企画しました。これはネット中心の販売だったにもかかわらず、16万セットも購入していただきました。その情報が何で伝わったかといえば、SNS。人から人へシェアされていったんです。そのときに、これからは情報の主導権を持つのは、企業や広告会社ではなく、一般の生活者であることを実感しました。広告のビジネスモデルが大きく変わる様を目の当たりにし、それ以降は地域にいる自分たちも従来とは異なるメディアに対応するものをつくらなくては、と考えるようになりました。とはいえ、マスモデルのように、デジタルやソーシャルに地域版はありません。ゼロからつくりあげていかなくてはいけない。模索しながら、自分なりに始めていたときに、東京出向の話があり、迷わず須田和博さんの部署に希望を出しました。

東京で参加した仕事で最初に形になったのが、スダラボの第一弾となった青森県田舎館村の「ライスコード」です。ラボの目的としては、広告における新商品を開発し、プロトタイピングして世に出していくことにあります。

青森県田舎館村は1993年に村おこしの観光名物として、田んぼアートを開始しました。既に観光名所として知られ、人は訪れるのですが、お米を買う人はほとんどいない。見たら帰ってしまうという通過型観光になっている、という課題がありました。それを解決するアプリとして開発したのが …

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