2006年から日本各地に足を運び、地元の人とコミュニケーションを図りながら撮影を続けている写真家 MOTOKOさん。これから地域を元気にするキーワードの一つは、「共」の写真だという
「公」と「個」の間にある写真
12年前、私はスタイリスト 伊賀大介さんと一緒に『ファーストタイム』という写真集をつくりました。その写真集では、当時一番かっこいい、東京カルチャーの最先端を行く人たちを150人近く撮影しました。撮り終わったとき、「もう東京にヒーローはいない。これからの時代のヒーローは地方からでてくるんじゃないか」と漠然と思ったんです。カルチャー全般、音楽とか服とか撮り尽くした感があった。で、地方にいるヒーローとは、一次産業、二次産業に従事している人たち。いつの時代もヒーローは一番大変なところ、一番困っているところから生まれてくる、と思ったからです。
同時期に『デイライト』という森の写真集を上梓しました。そのとき滋賀県で撮影をしたのですが、今度行くときは美しい自然だけではなく、琵琶湖に携わりながら、その風景を守り続ける人たちを撮影したいと思いました。その頃 …