メディアアートのフェスティバルとして知られる「アルスエレクトロニカ」。その国際コンペティション部門の一つであるデジタルコミュニティ部門で、復興支援プロジェクト「ふんばろう東日本支援プロジェクト」が選ばれた。このプロジェクトが選ばれたのはなぜか。審査員の鷲尾和彦さんが解説する。
未来社会を反映するプロジェクトかどうか。
僕は本年度のアルスエレクトロニカの国際コンペティション「Prix Ars Electronica(プリ・アルスエレクトロニカ)」のデジタルコミュニティ部門で審査員を務めました。このカテゴリーがユニークなのは、インタラクティブアート等、他の部門が主に作品とその表現力に対する賞であるのに対して、実際の社会の中での「人々の営み」を対象とするところです。「デジタルコミュニティ」と聞くとSNS等、ネット上のサービスが対象かなと思われるかもしれませんが、もっと幅広く、例えば都市の荒廃した空き地をデジタルファブリケーションのツール等を使い、市民参加型で再生させた事例や ...