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未来のコミュニケーション

注目のデジタルコミュニケーション

ソニーマーケティング「禁断のWALKMAN Hi-Res Symphonic Illusion / ローソン×イングレス

いまコミュニケーションにおいて、デジタルはさまざまな企画を考える上でのベースとなっており、その表現は多様になってきています。2014年後半には、ゲームの世界で主流だったオキュラスリフトも広告コミュニケーションの分野での活用が始まっています。またスマートハウス化が進み、“モノのインターネット”、IoT(Internet of Things)に、各分野から注目が集まっています。

2015年には日本でもコネクテッドサービスの開発が進み、私たちの生活の中でデジタルはいま以上にあたりまえのものになってくるのかもしれません。その一方で、デジタルとヒトとの関係をあらためて見直す動きもあります。効率化を図り続け、便利になったとしても、はたしてそれが本当に私たちの暮らしに役立つものになっているのか。ひとり一人の気持ちにフィットしているのか。いままさにその端境期に来ているように感じます。少し先の未来のコミュニケーションに向けて、いま私たちはどんなことを考えていくべきなのか。そのヒントをお届けしたいと思います。

デジタルコミュニケーションがWebから飛び出し、インスタレーションや街中などで展開されることが増えている。まずここでは、最近話題になったデジタルコミュニケーションの事例を紹介したい。

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ソニーマーケティング
「禁断のWALKMAN®
Hi-Res Symphonic Illusion」

会場に並んだボックスにはハイレゾ音源に対応したウォークマンが設置され、中を覗くと数本の水が流れ続けている。そこにスマホをかざし、動画撮影をすると、音楽に合わせて画面の中で流れ落ちる水が逆流したり、水の玉が静止して見える。これはスマホの動画が30フレームレートで撮影されていることを利用している。ボックスに内蔵されたスピーカーからは音楽に連動した30ヘルツの低周波を発信。それを受けた水流をスマホで撮影すると、周波数が同期して水が止まって見える。また周波数を下げると、逆流したように見えるのだ。この現象を知った電通 鈴木雄飛さんは「今年は“禁断”というコンセプトを大切にしながら、前回の音の可視化からさらに人の心が動くものにしたい」と考えた。BIRDMANのスタッフが装置とシステムを制作し、実験を繰り返して実現。「“音の世界のすごさを自分が発見してしまった!”という驚きをつくるためにも、子供のころ虫眼鏡を覗いて見つけた世界に驚いたように、スマホを覗き込むことで音の世界を発見できるデジタル×アナログな感覚を大切にしました」(鈴木さん)。

  • 企画制作:電通+フロンテッジ+BIRDMAN+電通テック
  • CD+PR:富山成貴
  • CD+企画:鈴木雄飛
  • 企画+C:本多忠房
  • C:中澤岳央
  • AD:尾幡晋保
  • ディレクター:築地Roy良
  • テクニカルディレクター+デバイスエンジニア:コバヤシタケル
  • PRG+デバイスエンジニア:梶原洋平
  • デバイスアシスタント:白井大地、齋藤匠
  • イルミネーション演出:村田優也
  • プロジェクトマネージャー:横川遥
  • 音楽:中岡将二郎
  • 広報:岡本能昌、菊地七絵
  • 映像:松田健、蔵原健之、広浦直人
  • 掲出期間:2014年12月4~6日東京ミッドタウン

 

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ローソン×イングレス

12月に都内で行われた「Darsana Tokyo」の様子。

Googleの社内スタートアップ「Niantic Labs(ナイアン ティックラボ)」が開発・運営している、位置情報の技術を応用し、現実世界と仮想世界をつなぐ“陣取りゲーム”「Ingress(イングレス)」。イングレスでは現実世界で歴史的・文化的に価値のある場所が、仮想世界では「ポータル」と呼ばれるエネルギー源となるが、2014年11月ここにローソンが登場した。イングレスと企業とのコラボレーションは、日本では初めて。「コラボ発表後、ネットでの口コミが増えました」と、ローソン デジタルコミュニケーション プロジェクトリーダー 白井明子さん。コラボレーションの理由は、ローソン店舗への来店促進だ。「近い将来のオープンプラットフォーム化の実現に向けて、お客さまとより多くのタッチポイントをつくっていきたい。イングレスとのコラボもその一つになっていくと思います。イングレスは熱いユーザーが多いので、コラボするからには形だけではなく、そのストーリーに沿った展開をしていくことを大事にしていきたい」。2014年12月に都内で行われたイングレス公式イベント「Darsana Tokyo(ダルサナ)」にも、ローソンは参加。イベント最後の表彰式には、白井さんと共にイングレスの取り組みを推進するレベル11の佐藤数馬さんも登場し、盛り上がりを見せた、来年にはオリジナルグッズの販売、販売商品とタイアップしたパスコードの配布、ローソンのオリジナルミッションなどを展開してく予定だ。

 

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進撃の巨人展「360°体感シアター 哮」
(上野の森美術館)

「哮」の映像より。こうした2つの画面をオキュラスリフトで見ると、360°の立体映像に。

1月29日まで、東京・上野の森美術館で開催中の「進撃の巨人」展。その目玉コンテンツが、360°体感シアター「哮」だ。ヘッドマウントディスプレイ「オキュラスリフト」と振動のあるヘッドホンを装着し、観客が体験するのは5分30秒強の3D映像。トロスト区奪還作戦のシーンだ。「熱心なファンに ...

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