「ポイ捨ては、心の落としもの。」(1996年、田中安住)他
広告を目にする時、多くの人が無意識で見ていると思います。そんな中で見た人の心をいかに動かすか。「完成度より伝達度」という言葉を電通関西のクリエイティブの先輩から教えてもらったことがあります。伝わるものをつくること。そのためにはまず目立つ。相手の気を引く。で、伝える。超シンプルな考え方ですが、今でも企画やコピーを考える時に大事にしています。今回は自分の中に強烈に残った伝達度の強い3本を選びました。
名作コピーの時間
不明/1994~6年くらい
○C/不明
ヘルス東京/1999年
○C/手島裕司
マイルームガイド(住宅情報誌)/1990年代
○C/尾形嘉寿
90年代福岡はコピーライター戦国時代。手島裕司さん、大曲康之さん、植原政信さん、門田陽さん、中村聖子さん、岡田賢さんたちの強いコピーが街にあふれていました。B1ポスターがまだパワーを持っていた時代です。当時僕は、いとうせいこう氏の小説教室に通ったり、ジャパニーズヒップホップの新譜を積極的に買っていました。そもそも好きというのもあるのですが、まだ使われていないビビッドな単語もチェックしていました。
その頃出会ったのが「きのう、うんちを踏みました」。眼鏡屋のキャッチコピー。ザラリとした読後感、腑に落ちるスピード。まさか「うんち」と「眼鏡屋」に相関関係があったとは…(僕の)強いコピーの概念ができた瞬間かもしれません。毎年手帳に書いて持ち歩いていた大切な一本です。
「恋人はしょせん素人です」。最初の師匠手島さん作です。「おいしい生活」という名作があるので ...