「うちで踊ろう」(2020年、星野源)他
名言ヅラしていなくて、みんなのおもちゃになるようなコピーが好きです。「ダッダーン」は幼稚園でゲラゲラ笑いながら真似していた、原体験とも言えるコピー。当時はダダンというのが商品名だということも知らず、ただ語感が面白くてひたすら繰り返していたのですが、それってコピーの究極の到達点ではないかと思うのです。意味がないけれど魅力的な言葉には今でも強い憧れがあります。
名作コピーの時間
不明/1994~6年くらい
○C/不明
ヘルス東京/1999年
○C/手島裕司
マイルームガイド(住宅情報誌)/1990年代
○C/尾形嘉寿
90年代福岡はコピーライター戦国時代。手島裕司さん、大曲康之さん、植原政信さん、門田陽さん、中村聖子さん、岡田賢さんたちの強いコピーが街にあふれていました。B1ポスターがまだパワーを持っていた時代です。当時僕は、いとうせいこう氏の小説教室に通ったり、ジャパニーズヒップホップの新譜を積極的に買っていました。そもそも好きというのもあるのですが、まだ使われていないビビッドな単語もチェックしていました。
その頃出会ったのが「きのう、うんちを踏みました」。眼鏡屋のキャッチコピー。ザラリとした読後感、腑に落ちるスピード。まさか「うんち」と「眼鏡屋」に相関関係があったとは…(僕の)強いコピーの概念ができた瞬間かもしれません。毎年手帳に書いて持ち歩いていた大切な一本です。
「恋人はしょせん素人です」。最初の師匠手島さん作です。「おいしい生活」という名作があるので ...