赤瀬川原平のパロディーとユーモア
これまでデザインに関して、たくさんの人やものから影響を受けてきました。その中でもデザインに対する態度で最も影響を受け、今もたびたび思い出すものがあります。それは、前衛芸術家の赤瀬川原平が1970年代に週刊誌『朝日ジャーナル』(朝日新聞社)で連載していた『櫻画報』です。
デザインの見方
多摩美術大学3年生の頃、大学のあるJR八王子駅の駅構内にフォーマルウェアの老舗カインドウェアのポスターが貼ってありました。現在は現代美術家として活動されているサイトウ・マコトさんが手がけたこのグラフィックは、遠く離れた距離から見てももの凄くインパクトがあり、引き寄せられるようにこのポスターへと近づいていったこと、そこで長い時間そのビジュアルに釘付けになったことを今でもはっきりと覚えています。
日本のデザイン史上でも突き抜けていた80年代から90年代。日比野克彦さん、井上嗣也さん、戸田正寿さんらの個性的なグラフィックが鮮やかに街を彩っていました。なかでも憧れの一人が異端派のグラフィックデザイナー、サイトウ・マコトさんです。過激・奇抜な描写とそのアグレッシブな姿勢に興味を惹かれ ...