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CREATIVE RELAY

西友で売っている野菜や果物でつくった笑顔

折重 慎+武井宏友

誌面いっぱいに広がる女性の笑顔。よく見ると、その顔はバナナ、にんじん、トマト、ネギなど野菜や果物など食品でできている。西友で買い物をする女性の笑顔をつくったのは、折重慎さんと武井宏友さんである。

一発撮りでビジュアルインパクトを出す

“SAVE MONEY, LIVE BETTER”という西友のスローガンを表現してほしいというオリエン後、コピーライター武井宏友さんと、あらためて「西友をよく利用する人たち」について考えてみました。利用する人の多くは、おそらく主婦。子どもがいるかもしれないし、働いているかもしれない。その人たちを応援したり、その人たちの気持ちに寄り添う温かいものにしたいと思いました。そこで企画した3案の中の一つが、毎日通う西友で売っているものを使い、その人たちの笑顔を表現するという企画です。

企画の発想はかなり愚直なもので、野菜や果物、お菓子などを使って、女性の笑顔を表現する。CGや合成ではなく、一発撮りでビジュアルインパクトを出したいと思いました。とはいえ、どうやって撮るべきか。考えあぐねているときに、フォトグラファーの高梨遼平さんからプロジェクターで床に置いた白ホリに顔のラフスケッチを投射し、そこに野菜を並べていく、という方法を提案いただきました。

見た瞬間カラフルな印象にしたかったので、スタイリストさんには色のある食材を集めてもらいました。その中から大きさ、色のバランスを見ながら並べていったんです。実際に並べてみると、顔は曲線が多いので、長ネギやスナックエンドウ、ゼンマイといった曲がった野菜が重宝しました。繊細に表現するべきところはグリーンピースやブルーベリーを使っています。スタジオの白ホリに野菜や果物が並んでいく様はインスタレーションのようにも見え、なんとも不思議な感じでした。そして終わった後は、事務所に持って帰ってスタッフみんなで食べました。

武井さんが書いたコピーは、「10円で幸せは買えないけど、10円安いとちょっと幸せ。」。西友に行くと、他よりちょっと安いものが見つかる。それは大きな幸せではないかもしれないけれど、家計をあずかる主婦にとって何より大切なこと。そんな小さな幸せを積み重ねていくことこそが、やがて大きな幸せ=LIVE BETTERにつながるのではないかというメッセージです。

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01 撮影風景(左/撮影:髙梨遼平)

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02,03 オリンパスイメージング

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04 インテリジェンス an

  • 協力:アマナ
  • 撮影:髙梨遼平(acube)
  • レタッチ:津金卓也(rizing)
  • ST :青山俊樹
  • PR :大池陽子(アマナ)
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DESIGN BOY 折重 慎(おりしげ・しん)
1974 年東京生まれ。アートディレクター。エフデザインオフィス、清水正己デザイン事務所、博報堂プロダクツを経て、2007年螢光TOKYOのデザインオフィス DESIGN BOYに参加。 最近の主な仕事:オリンパスイメージング、インテリジェンス an、久光-サノフィ アレグラ、損保ジャパン日本興亜、ソニー・ミュージックエンタテインメント J ☆Dee’Z等、主に広告グラフィック全般。


オカキン 武井宏友(たけい・ひろとも)
1979年千葉県生まれ。コピーライター。フリーランスを経て、2014年オカキン入社。師匠である岡本欣也氏のもと、さまざまな広告に携わる。

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