赤瀬川原平のパロディーとユーモア
これまでデザインに関して、たくさんの人やものから影響を受けてきました。その中でもデザインに対する態度で最も影響を受け、今もたびたび思い出すものがあります。それは、前衛芸術家の赤瀬川原平が1970年代に週刊誌『朝日ジャーナル』(朝日新聞社)で連載していた『櫻画報』です。
デザインの見方
大学院生の頃、D|BROSでデザインのアルバイトをしていました。そこで、僕が初めて仕事としてお手伝いさせてもらったのが、お皿に描かれた模様が鏡面のカップに映る「カップ&ソーサー」というプロダクトのデザインでした。
早速取りかかったのは皿に描かれる模様の検証です。色や形、並びなどを一生懸命パターン出ししたのを覚えています。鏡面に何度もかざしながら検証していたのでどんな商品になるかはイメージできていたのですが、あがってきたプロダクトはもう、すごく綺麗だし、おもしろい。動かすとカップの模様が変わり、ものとして定着していくことのすごさに感激しながら長いこと眺めていました。その時、おもむろに裏面を見ると ...