今号では、36人のコピーライター、プランナーの皆さんに自身の「コピーの作法」をご執筆いただきました。36人のコピーライター、プランナーの頭の中にある「コピーの作法」をどうぞ覗いてみてください。

作法というより、この仕事をやっていての感想。
前田知巳
● 世の中にその商品を送りだす「意義」を、クライアントに確信してもらう言葉。
日々および人生における何らかの「欲求」を、生活者に発見してもらう言葉。
そのふたつを同時に満たす言葉が、コピーの理想である。
● 上に記した「欲求」の解釈は人や場合によって様々でいい。
というか、様々でなければ不自然である。
● クライアントの頭や心のなかに入り込んで、
クライアントが見ている景色と同じ景色を見る、という意識を持つ。
●その景色はまだ曖昧なものかもしれないが、そのもやもやのなかから、
クライアントがその商品で何をいちばん言いたいかという「核」を見つける。
●まず、その「核」の部分に自分がときめいているかどうかが大事である。
そうでなければほとんどの場合、それは世の中に送り出すべき「核」にはなりえない。
●なぜならコピーライターは、その仕事から、今までになかった「欲求」を
生活者として最初に発見する、という重要な役割を担うからである。
●自分がそこで感じたときめきに対して、世の中はどう感じるのか、
どれだけ響くのかという、想像力を駆使した検証を行う。
●その過程で、その「核」を言葉化した場合、果たしてその言葉は「ソリッド」がいいのか
「ソフト」がいいのか、「動的」がいいのか「静的」がいいのか、
「寡黙」がいいのか「冗舌」がいいのか、という言葉の人格を設定していく。
こんな風に仕事ができたら僕的にはいいコピーに近づけるんじゃないか、
という感想みたいなものです。
だから(もちろんおわかりでしょうが)いつもこんな風に順調な手順で
仕事が進んでいるわけではありません。あしからず。

「おじいちゃんにも、セックスを。」「団塊は、資源です。」など宝島社の企業広告、キリンビールやシャープなどの企業スローガン、最近ではトヨタ「86」「クラウン」「DRIVING KIDS with TOYOTA」などを担当。またユニクロの基幹店舗や商品をはじめ、様々な企業のコンセプトワークも手掛ける。

コピーは、内申書と似てる?
三井明子
あるとき、コピーは内申書に似ていると思いました。
そう、進学のために担任の先生が書くあの内申書です ...