今号では、36人のコピーライター、プランナーの皆さんに自身の「コピーの作法」をご執筆いただきました。36人のコピーライター、プランナーの頭の中にある「コピーの作法」をどうぞ覗いてみてください。
毎日楽しくコピーを書くための作法。
児島令子
これまでも何度か「私のコピー作法」について語る機会がありました。
広告界の永遠のテーマなのかな。でも、そのたびに思うんです。
コピー作法って人に語りにくいなと。
そもそも作り方がないし、作り方に添って作ってない。
コピーライティングって、毎回毎回、作り方を作っていくような仕事です。
結局、語られるコピー作法は過去の作法。
未来の作法は語れない。
世の中動いてるので、コピー作法も止まってちゃいけない。
私自身、自分の過去の作法にとらわれず、
仕事ごとにアップデートしたいと思ってます。
そんな私ですが、それでも何かひとつ語れるコピー作法があるとしたら…
「毎日楽しくコピーを書くための作法」かな。
2年目でフリーになった私はずっとひとりでやってきました。
そのため、自分が苦しくならずラクに書ける状況を
自分で作ることをいつも考えました。
苦しみの中でいいコピーはできない。
楽しいの中に苦しいがあるのはいいけど、
不毛な苦しみはただ不毛だから。
たとえば…/どんな仕事も自分の土俵にもって来る。
知らない山に登って書けないことを書こうと苦しまず、
自分とその仕事の小さな接点を見つけ、そこから世界をのぞけばいい。
/他人の気持ちはわからない。だから書かない。
無理して他人の気持ちになるより、自分の気持ちを突き詰めて人とつながればいい。
/書けないときは、書きたい気持ちをムクムクさせる。ただ苦しんでないで、
これなら書ける書きたくなるぞというフレームや切り口を自分で作る。ねつ造する。
/コピーを書こうと思わずコピーを書く。まずはリラックス。
などなど、上手に書く方法でなく、楽しくラクに書ける方法、
あるいは楽しく苦しめる方法をずっと考えてきました。
コピーって、気の持ちようだったりするんですよね。
苦しいは弱い。楽しいは強い。なのです。
コピーライター。earth music & ecology 「あした、なに着て生きていく?」「言葉と服で、温まろう」、STAND BY ME ドラえもん「すべての、子ども経験者のみなさんへ。」、JR東日本「大人は、とっても長いから。」、日本ペットフード「死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。」など。TCC最高賞ほか受賞多数。
この夏に思ったいくつかのこと
権八成裕
チンドン屋が偉ぶらない。
しかしチンドン屋だから到達できる地平が確かにある。...