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アワード受賞者インタビュー

海外デザイン賞応募で広がった仕事

内田喜基(cosmos)

cosmos 内田喜基さんは、3年前に海外デザイン賞への応募を開始。応募のきっかけは、同世代のクリエイターから刺激を受けたことにあるという。

内田喜基(うちだ・よしき)
1974年静岡生まれ。博報堂クリエイティブ・ヴォックスに3年間フリーとして在籍後、2004年cosmosを設立する。広告クリエイティブのデザインにとどまらず、商品デザインやアート本「Kanamono Art」(誠文堂新光社)の出版など、その活動は多岐にわたっている。

縁遠いと思っていた広告賞にチャレンジ

「海外デザイン賞なんて、自分には縁がないと思っていました」と、内田喜基さんは振り返る。「雑誌に自分が掲載してもらえることになったけれど、活躍しているクリエイターのように自分はプロフィールに書くことがないな、と思っていました。でも、その人たちとはレベルが違うという意識があり、賞への応募には至りませんでした」。あるとき同世代のクリエイターと一堂に出会う機会があり、彼らの志の高さを目の当たりにしたことが大きな刺激となった。そして自分も海外デザイン賞への応募を決意したと語る。

1年目に応募した小山金物のグラフィックツールがD&ADノミネーションほかに入賞。そのことが弾みとなり頑張ろうと思っていたタイミングで京都の木版工房竹笹堂と偶然の出会いがあった。日本文化復権のための旗印となるポスターを共同で制作。木版でのB1サイズのポスターをつくることは、竹笹堂にとってもチャレンジだった。そして完成したポスターは、ONESHOW DESIGNブロンズ、D&AD IN BOOKに選ばれた。「受賞など自分には遠いことと思っていたので、自分の新しい可能性を見つけられたことは大きかったです」。

この取り組みは、内田さんの仕事の幅も広げた。竹笹堂と知り合い、ポスターを制作したことがきっかけとなり、日本酒、飴細工、お茶、和紙など各地の職人とのつながりが生まれ、ブランディングやパッケージ制作などの依頼、相談を受けるようになった。

その出会いから始まった仕事の冨田酒造「七本槍」がパッケージでONE SHOW DESIGN Merit 賞に選ばれた。「高い技術と深い知識を有する職人との仕事は、ものづくりの神髄に触れることでもあり自分にとってプラスになっています」。

今秋にはモナコで行われる日本文化を紹介するイベントにも参加し、そこで個展を開催する計画もある。「海外賞に応募することで得られるものはいろいろあります。今後も新しい仕事の中からこれぞというものを出していきたいと考えています」。

01、02 ONESHOW DESIGNブロンズ、D&AD IN BOOKに選ばれた竹笹堂ポスター。

03 ONESHOW DESIGN Merit賞に選ばれた冨田酒造「七本槍」パッケージ。

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