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ブランド・空間・商品 はじまりの企画書

必ず成功するプレゼンの設計法

濱口秀司(monogoto)

USBメモリの発明などの実績を持ち、コンセプトづくりのプロフェッショナルとして、企業内の意思決定マネジメントやビジネスデザインの分野で活躍する濱口秀司さん。成功するプレゼンには3つのポイントがあると語る。

エクスターナルマーケティング(社外)の前に、インターナルマーケティング(社内)。イノベーションの最大の難関「社内」を突破しなければ外にアウトプットできない。

ピラミッド形でしゃべれ

にこやかな表情と軽微なユーモアで聞き手の心を魅了し、シンプルな図解でロジックを見る人の頭の中にすっと入れていく。そんな濱口秀司さんのスピーチを、TEDなどで見た人もいるだろう。だが、TEDのスピーチは序の口。「クロージング率ほぼ100%」を誇るクライアントへのプレゼンの場でこそ、その本領は発揮されている。「僕はイノベーションを起こす手伝いをしてほしいと企業から呼ばれることが多いのですが、そもそもイノベーティブなものとは非常に不確実性が高いものです。ですから、最大のハードルは実は社内にあります。特にマネジメント層は論理性や再現性を重視し、不確実性を排除したがります」。

現代経営学の父 ピーター・ドラッカーは、企業の本質的活動はイノベーションとマーケティングだと言ったが、「かのドラッカー博士でも見落としている点があると思う」と言う。「彼の言うマーケティングとは、企業の顧客に向けてのマーケティングですが、それ以前に企業内におけるマーケティングが必要なのです。企業、特に大企業の本質的活動は、イノベーション、社内へのマーケティング、社外へのマーケティングの3つ。経営に深い知識を持つ組織関係者を説得するのは至難の技です。だからいま、社内へのプレゼンの重要度が増し、そのスキルが必須項目になっているのです」。

成功するプレゼンには3つ重要なポイントがあると濱口さんは話す。「ひとつめは、パッション。これがなければ絶対に成功しない。俺はどうしてもこれをわからせたい、進めたい!という思いです」。2つめのポイントは、「ピラミッド形でしゃべる」こと。山の頂点にある『答え』から、理由へと下ろしていくように話す。「プレゼンを聞く人というのは、『何の話なんだ?ポイントは何なんだ?』と思って聞いています。特に、経営者の場合、仕事柄彼らはせっかちで、具体案が好きで、本質論でなければ受け入れません。早く結論を言え、俺は本質的か見極めるぞと思っているわけですね」。

よくある失敗のパターンは「台形型のプレゼン」だ。「情報を下から積み上げていったらこうなりました、という形です。ほぼ99%のプレゼンがこうです。頂点がなくて、平べったい。もしくは、そこに脆弱な棒が一本立ててあって、その先にぐらぐら揺れる結論がついているとか(笑)」。

では、台形型のプレゼンにならないためには?「一度重力を忘れるんです。僕たちが扱っているアイデアには、重力なんてないから、下から積み上げなくていい。いきなりシンプルな結論を言うのは不安?前提条件を言わないと突っ込まれてつぶされる?簡単すぎるとバカと思われる?いろんな不安があるでしょうけど、聞き手は、答えをまず知ってから詳細を理解したいんです。だから小さな三角形のピラミッドで話しましょう。結論はこう。その理由はこう。1分、あるいは1枚のスライドで説明できるくらいの分量が理想です。詳しいことは後で説明するので結論はこうです、と言い切った方がパワフルです。相手が情報を補って推測してくれる、という思わぬ効果もありますよ。そのあと三角形を大きくしていけばよいのです」。

社内には数字で判断するマネジメント層と、面白さを重視するクリエイティブ層の“ふたこぶラクダ”がいる。どんな面白い案も、マネジメント層が納得しなければ実現しない。

プレゼンの大原則は、1.パッションは不可欠 2.ピラミッド型の情報構成 3.階段状の合意プロセス。

プレゼンは結論(頂点)から話していくことが大事。オーディエンスは「早く答えが知りたい。答えを知ってから理解したい」と思っている。

階段状のプレゼンが合意への近道

そして3つ目のポイントが ...

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