電子書籍では得られない紙の本の魅力のひとつが、手触りや質感だ。ブックジャケットをつけられるのも本ならではの楽しさ。さまざまな質感を持つ竹尾のファインペーパーを使用し、そこに多彩な印刷加工技術を掛けあわせることで、触って感じる新しいブックカバーを提案していく。
読む人と本を護る赤いブランケット
米山さんが制作してくれたのは、読む人と本を護る赤い毛布のブックカバー。「私自身、活字中毒でよく本を読みます。本を読んでいると周囲から遮断されたような気分になり、安心するんです。そういう個人的体験と、今回使用した紙、NTラシャのやさしく包み込むイメージがつながり、“安心毛布(セキュリティブランケット)”という案を思いつきました」。
安心毛布は、漫画『ピーナッツ』に出て来るスヌーピーの仲間の一人で、いつも毛布を手放さないライナスというキャラクターから広まった言葉。NTラシャの新色・濃赤と毛布の相性もいいと思った。
「NTラシャは色数が多い紙という印象だったのですが、改めて触ったら意外にも柔らかな手触りだったんです。良質なコットンパルプ配合で、ラシャという名前の由来が『羅紗』=厚手の超毛毛織物を目指したから、と聞いて納得」。
触っているとクセになって、ついまた触りたくなる質感。紙の持つ手触りを生かしつつ、 ...