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名作コピーの時間

「TELL ME ガツン」、「ムカデキンチョール」ほか

廣瀬泰三

    「Tell meガツン」

    サントリー/1998年
    ○C/多田琢

    閻魔大王
    「ムカデキンチョールで
    殺したムカデ987匹。
    はい、あんたは地獄!」

    キンチョウ/1997年
    ○C/林尚司

    フッリーダイヤル
    84-3680
    はよ、みろ、ワレ。

    ユーポス/2000年
    ○C/山崎隆明

お笑い芸人になりたかった。

ボクの部屋に捨てられないビデオが80本以上ある(AVではない)。中1の頃から、録り貯めした漫才番組・コント番組のビデオだ。朝刊のTV欄のお笑い番組を全局チェックし、録画予約し、野球部の朝練に向かう。夜にヘトヘトで帰っても、それを擦り切れるほど繰り返し見ていた(文字通り擦り切れてテープが切れてダメになったものもある)。とにかくお笑い芸人がカッコ良くてカッコ良くて、仕方がなかった。コントはアイデアの宝箱で、映画や歌より、何より価値の高いものと思っていた。同級生とコンビも組んだ。文化祭でも漫才をした。ウケた。未来を考えた。「高学歴のお笑いコンビってエエんちゃう?」という、いやらしい計算のもと、受験勉強も始めた。

相方は大阪大学に合格し、ボクは見事に落ち、浪人した。一足先に吉本の芸人養成所NSCに入った相方に様子を聞くと「エグいぞ。みんな死ぬ気や。覚悟がちゃう、無理や」と言い、ボクもビビって、芸人になるのを諦めた。でも、大学生(結局、第一志望には落ちた)になっても「人を笑わせたい」という思いは消えず悶々としていた時、構内の掲示板でふと電通という会社がやっている「クリエーティブ塾」という講座を知り、CMを作る勉強が出来るとの話だったので、応募した。

その講座で出会った講師は衝撃だった ...

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