
冊子『パッチョ、じぶんさガスのたび。』
(東京ガス)
「ガスのキャラなのに、ガスのことそんなに知らないや」――。そのことに気づき、ガスについて知るために旅に出たのは、東京ガスのキャラクター火ぐまのパッチョだ。2006年に「ガス・パッ・チョ!」というキャッチフレーズと共にデビューしたパッチョはCM登場後、Webで「パッチョのパッとチョッと日記」を連載したり、同社のイベントに登場するなど、根強い人気を誇っている。そんなパッチョが「ガスについて知る」ための旅の様子を納めたのが、この春制作された冊子『パッチョ、じぶんさガスのたび。』である。
この冊子は表紙から裏表紙に至るまでパッチョが登場し、写真絵本のような体裁になっている。「ガスは自分たちの生活に身近なものであるにもかかわらず、例えばガスがどこから、どのように運ばれてくるのかなど、意外に知られていないことが多い。それをパッチョというキャラクターを通して、みんなに知ってもらえるものをつくりたい」という同社広報部の思いを受けて、電通アートディレクター田中元さん、小松崎舞さんの二人を中心に企画が進められた。その際に広報部から、「教科書的なものではなく、子どもでも読めるもの。さらに言えば、3~4分でサラッと読める本にしたい」というリクエストがあった。
そこで「ガスのことをよく知らなかったために女性にフラレたパッチョが、ガスを知る旅に出る」というストーリーで、構成案を作成。ガスを運ぶ船が到着する港、ガスタンク、ガス製造工場ほか、ガス工事の現場、銭湯やたいやき屋さんなどガスを使う場所から関連施設まで、関東近郊のさまざまな場所をパッチョと共に訪問し、写真に収めた。「まるで社会科見学のようでした。僕らも写真を撮りながら、撮影に参加・協力してくれた現場の皆さんから学んでいきました」(田中さん)。
撮影は、今井美奈さん。写真集という見え方を意識し、見開き写真を多用、文章は最低限の説明にとどめた。「キャラクターが登場する写真ですが子どもっぽくならないよう意識し、この冊子を手にした人を写真1枚で魅了できるクオリティを目指しました」(小松崎さん)。
冊子は上製本と簡易版の2タイプを制作。簡易版は4月から社内各部署、グループ会社、関連施設、そしてリクルーティングの学生に配布された。特に社内からの反響は大きい。さまざまな活用が見込まれており、配布早々に「もっと欲しい」という声が ...