IDEA AND CREATIVITY
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私のクリエイティブディレクション論

生活者が「想像もつかない魔法」をいかに使うことができるか

塩崎秀彦

第一線のクリエイティブディレクターが考えるCDの役割とは何か。スペシャリストとしての知見を持った上で、「誰もが想像もつかない魔法」を使うこと、それがCDの役割と話すのは、ダイハツ「新型ムーヴ」の法廷劇のCMで話題を集めた塩崎秀彦さんである。

塩崎秀彦(しおざき・ひでひこ)
博報堂第1クリエイティブ局 エグゼクティブクリエイティブディレクター、CMプランナー。主な仕事はダイハツムーヴ、WILLCOM、味の素 クノールカップスープ、クノールスープDELI、サントリー 伊右衛門、カロリ、澄みわたる梅酒ほか。2011年、2013年クリエイター・オブ・ザ・イヤーメダリスト、2011年、2013年ACC・ME部門グランプリ受賞。

――仕事の進め方を教えてください。

クリエイティブディレクターという肩書きになって10年近く経ち、いろいろなキャンペーンも担当しましたが、プランナー出身ということもあり、やはり一番好きなのはCM。どの仕事でも、今でも若手と一緒に企画やコピーを出すので、自分の中ではその延長線上にCDという肩書きがある、という感覚です。だから僕の場合、CDというのは監督というよりもプレイングマネージャーですね。大きなディレクションをして、スタッフから挙がってきたアイデアをバシッとまとめるというより、「あっちじゃない、こっちだ!」とみんなと走りながら考えてる(笑)。最初の段階で「これだ!」とディレクションできればいいのですが、性格なのか、グルグルと考えを廻らせてからじゃないと決定案に辿り着かない。その上、最終的に自分の出した案を採用することが多いから、チームのメンバーにはなんだよと思われているかもしれませんが。これはCDとしてまだ未熟なのかもしれないけれど、スタッフが出した企画に簡単には確信が持てないんです。もちろん面白いと思う企画もたくさんありますが、このブランドでこのような表現の面白がり方でいいのか、この時代の空気感に合っているのかなど、自分の経験値から企画を見ていくと、なんとなく自分の案を選ぶことが多くなります。

01 ダイハツ工業 ムーヴ 「優しかった妻」篇

――昨年から話題のダイハツ「ムーヴ」はどのように企画を進めたのですか ...

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