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トップクリエイターと考えるこれからの広告

アウトプットではなく、「プロセス」をデザインする時代

北風 勝(博報堂)

「クリエイティブの宇宙は無限大、タコツボに入ったままではいけない」と北風勝さんは若いクリエイターにエールを送る。

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博報堂 北風 勝(きたかぜ・まさる)
博報堂執行役員。クリエイティブディレクター/プランナー。2013年度まで博報堂エンゲージメントビジネスユニット(EBU)のクリエイティブ局を率い、カンヌを始め、数々の国際広告賞を受賞。海外を中心に審査員経験も多数。2014年度からは統合プラニング室のリーダーとして新領域へ。仕事におけるデジタルの比重は高まるばかりだが、趣味は書道、油絵、陶芸とアナログを志向。

幸せな消費を生むダイアローグ

「“広告の次”って何だ?」という議論は、これまでも何度もありました。そのたびに新しい言葉を探していますが、いまだかつて全く見つかっていない。それだけ「広告」という言葉が強いんです。もはや元の意味は失われつつありますが、CMをはじめマスの広告はいまのコミュニケーションデザインには欠かせないものになっています。そして、デジタルはもはや領域の一つではなく、コミュニケーション全体を覆い、新しい価値を生み出すプラットフォーム。コミュニケーション全体に有機的にいきわたるリキッドのようなものです。デジタルのビッグバンによってメディアの小宇宙が誕生し、その中にさまざまなコミュニケーションが生まれている。それが、いまの「広告」の現状といえるでしょう。

その空間におけるデジタルの本質は、「シェアされる」ことにあります。広告はいまや企業が上から降りそそぐものではなく、横にシェアされるものになっているわけです。実際に生活者は大量の情報を発信しており、そちらのほうがむしろ広告効果が高いこともある。ある意味、生活者がマス広告を世の中に売っているとも言える。そして、それは情報だけがシェアされているというわけではなく ...

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