博報堂は4月に新しい街づくりのフレームワークを体系化した「LoCoBra(Local Co-creation Branding:ロコブラ)」を発表した。これからの企業と地域との新しい関わり方について聞いた。
兎洞武揚(うどう・たけあき)(左)
博報堂ブランドデザイン副代表/組織開発ファシリテーター。企業ビジョンの共有による組織変革・風土改革コンサルティングと企業と社会との関係づくりのソーシャル・ブランディングが専門領域。
岩嵜博論(いわさき・ひろのり)(右)
博報堂ブランドデザイン ストラテジックプラニングディレクター。戦略思考とクリエイティブ思考を使って企業や地域の課題解決に従事している。地元滋賀のコミュニティ活動「KOKOKU」にも関わっている。
地域住民との関係性を高めることがブランド価値向上につながる
商業施設やホテル、大学や学習塾、病院など、地域に根差したビジネスを展開する企業・組織にとって、地域との関係づくりはますます重要な要素になりつつある。既存のマーケティングプロセスに沿った取り組みでは地域の人々の支持を得られないケースが増えているなか、「一方通行のコミュニケーションではなく、ステークホルダーと共に地域づくりのプロジェクトを実践しながら、『社会関係資本』を築くことが不可欠だと考えています。まず地域住民との関係性の質を高め、その結果、自社のブランド価値が向上していくという考え方です」と博報堂ブランドデザイン 副代表の兎洞武揚さんは話す。