マンション・戸建ての広告といえば、価格や駅徒歩など、建物のスペック訴求が中心。だがリクルートコミュニケーションズは近年、不動産のある街の魅力を合わせて伝える取り組みをしている。
01,02 SUUMO内で公開されているショートムービーも、撮影・編集すべて住宅制作部のメンバーがディレクションする。
不動産プロモーションの新しい形
空高くそびえたつマンションのイメージイラスト、室内のパース、購入価格に駅徒歩時間。従来の一般的な不動産広告において提示される情報は、こうしたスペックが重視されていた。「住宅」を選ぶのではなく、「街」を含めた「暮らし」を選ぶという観点で、カスタマーに情報を提供できないか――住宅情報サイト「SUUMO」の広告制作を担当するリクルートコミュニケーションズ 住宅制作部は、こうした考えのもと、3年ほど前から「地域の価値をつくる」「地域にすでにある価値を伝える」といったこれまでにないアプローチで、不動産の魅力を伝える取り組みを進めてきた。
「購入後、長年にわたって住まうことを考えれば、物件自体の情報と同様、物件を取り巻く街の情報は購入者にとって重要なものです。実際に暮らしてみなければわからない街の文化や風土に関する情報を伝えることで、街のことを知らずに購入することによって生じる恐れのあるマイナス要素を防ぐことができますし、自分に合う街を選ぶことができれば不動産の購入はもっと満足度の高い体験になる。より多くの人が、いままで知らなかった街の物件の購入を検討するきっかけになるかもしれませんし、この街が好きだと思って住まう人が増えれば、ひいては街もよくなっていくと思うんです」と同部の竹内誠一さんらは話す。