「これからの企業と生活者のコミュニケーションを変えるのは誰だ?」――宣伝会議 創業60周年の節目の号である本号では、メディア、テクノロジー、地域など、さまざまな切り口で、コミュニケーションの新しい可能性を拓いている40名あまりのクリエイターの活動を紹介します。なぜ、あなたはその活動に取り組むのですか? 自身の活動を通じて実現しようとしていることは何ですか? それによって企業のコミュニケーションはどう変わり、あるいは私たちの未来がどうワクワクするものに変わっていくのでしょうか?――これからのコミュニケーションを考えることは、これからの広告の形を考えることにほかなりません。彼らが語る言葉の中に、次なる広告の発想の刺激やさまざまなヒントが見つかるのではないでしょうか。あるいは、新しいコミュニケーションにチャレンジしたいときのパートナーとして、力強い味方になってくれるかもしれません。
電通 小布施典孝(こぶせ・のりたか)
電通 マーケティング・デザイン・センター チーフ・コミュニケーション・デザイナー。経営戦略、事業企画、新商品開発、CM、プロモーション、Web、アプリ、店頭、戦略PR、イベントなど、さまざまな領域での企画に従事。カンヌ イノベーション部門ショートリスト、スパイクスアジア ブロンズ受賞。
データを用いた『拡張観戦』への期待
「商業五輪」の始まりといわれた1984年のロサンゼルス五輪以降、企業コミュニケーションにおけるスポーツは「ロゴを掲出するメディア枠」と長らくとらえられてきた。こうした中、「スポーツを、マーケティング課題を解決するソリューションとして活用する」との考えから、電通は昨年10月、社内横断型ユニット「SPOLUTION(スポリューション)」を発足させた。
戦略プランナーやコピーライター、アートディレクター、テクノロジスト...メンバーは全員、他部門との兼任。「それぞれの専門領域の知見をスポーツと掛け合わせ、新しいソリューションを生みだしたい。スポーツの活用可能性を、“アイデア”の力で広げる試みです」とユニットリーダーの小布施典孝さん。