「これからの企業と生活者のコミュニケーションを変えるのは誰だ?」――宣伝会議 創業60周年の節目の号である本号では、メディア、テクノロジー、地域など、さまざまな切り口で、コミュニケーションの新しい可能性を拓いている40名あまりのクリエイターの活動を紹介します。なぜ、あなたはその活動に取り組むのですか? 自身の活動を通じて実現しようとしていることは何ですか? それによって企業のコミュニケーションはどう変わり、あるいは私たちの未来がどうワクワクするものに変わっていくのでしょうか?――これからのコミュニケーションを考えることは、これからの広告の形を考えることにほかなりません。彼らが語る言葉の中に、次なる広告の発想の刺激やさまざまなヒントが見つかるのではないでしょうか。あるいは、新しいコミュニケーションにチャレンジしたいときのパートナーとして、力強い味方になってくれるかもしれません。
日常を耕す「DOMMUNE」という土壌
ライブストリーミングサイト&スタジオ「DOMMUNE」は今年3月、5年目に突入した。運営する宇川直宏さんの方針は変わらず、「自分の興味関心があるものだけを、毎日配信する」。「DOMMUNE」は完全に宇川さんの“日刊・個人メディア”である。
DOMMUNEにおける視聴者とのコミュニケーションのレイヤーは3つある。「1つはライブやトークを行うスタジオやイベント会場。2つ目は国内外問わず、視聴者が見ている環境やデバイスです。3つめはSNSのタイムライン。それぞれに独自の体験価値があり、僕はそこに優劣があるとは思っていません。視聴者が唯一共有できている“今”という時間の連なりをそれぞれの場所から体感してもらう。毎日配信するのは、どのレイヤーでも、どのタイミングでも構わないのでDOMMUNEに触れて、習慣性を持ってもらいたいから。そこで触れた何かに関心を持ってもらえたら、なおいい。その立体的なコミュニケーションこそが、DOMMUNEならではのファンクションだと思っています」。