特産品や観光資源など県が持っている資産と、東京の企業やブランド、メディアとをコラボさせることで、県のイメージ向上を図る。こうした考えのもと、昨年7月、佐賀県がスタートさせたのが新プロジェクト「FACTORY SAGA」だ。第1弾のコラボ先である宝島社との取り組みについて聞く。
(左)FACTORY SAGA 金子 暖(かねこ・だん)
1974年岐阜県生まれ。大手アパレルメーカーを経て、2005年佐賀県入庁、危機管理・広報課に配属。12年に東京エリアにおける情報発信プロジェクトの設計に携わり、13年よりFACTORY SAGA プロジェクトリーダー。
(右)宝島社 桜田圭子(さくらだ・けいこ)
1975年東京都生まれ。広告会社を経て、宝島社入社。2007年、広報責任者に。2008年早稲田大学大学院商学研究科(MBA)修了。出版物のマーケティングや「書店応援キャンペーン」企画、「企業広告」も担当。
「知ってもらう」のその先を狙う
金子 佐賀県を含め、従来の自治体プロモーションは「自分たちが売りたいものをアピールする」というプロダクトアウトの発想で行われることが多かった。しかし、やはりそれではターゲットに響かない。これまでとは違うやり方が必要だと考えてスタートしたのが、コラボプロジェクト「FACTORY SAGA」です。ターゲットは、「東京エリアに住む、情報拡散力が強く、ライフスタイルにこだわりを持つ30代を中心とした女性」。佐賀のことを知っていただくのはもちろん、例えば有田焼を手に取ったり、いちご「さがほのか」を食べたりと、実際に佐賀のコンテンツを体験していただき、その魅力に気づいてもらいたい。彼女たちのニーズや価値観に合った商品やイベントを通じて、佐賀に実際に触れる機会を増やすことで、ライフスタイルに組み込んでもらう狙いです。宝島社さんには、佐賀県が持つコンテンツの中から、女子向けのものをセレクトしたり、女子に刺さるよう表現をブラッシュアップするといった、プロデューサー的な役割を務めていただきました。
桜田 宝島社は元々、地方自治体のコンサルティング会社としてスタートした会社。自社のドメインを出版社ではなく「情報産業」「コンテンツメーカー」と考えています。雑誌のクライアントのみならず、「ブランドムック®」などでも、編集部ならではの視点で企業の商品・サービスの企画に携わり、「企業が既に持っているものを、いかに魅力的に見せ、発信するか」という発想で、企業の問題解決をお手伝いすることを強みとしています。調べれば調べるほど、佐賀県は魅力的なコンテンツを持っています。私たちがお手伝いすることで、県民の方がより楽しく生活できたり、より多くの方が佐賀県を訪れるようになるかもしれない。全社を挙げて応援したいと思いました。